3日前の天気予報では、金曜日は「暴風雨」と表示されていた。 それが昨日は普通に「雨」に変わっており、少し安心した。 昨日は夕方から風が強かったが、それはやはり台風のせいで、当初の予想より少し早く来たようである。 用事があって街中に出たが、外を歩くと凄い風。 雨が横から降って来るのだ。 傘を差しても、すぐに風向きが変わるので、持って行かれないようにするのが大変だった。 家の中にいると、風の音が凄い。 主人の職場は近いが、この雨の中を徒歩で帰って来るのは大変だ。 体重があるから飛ばされる心配はないが、スーツが濡れてしまう。 と、主人よりもスーツの心配をする私。 だって、濡れた服の後始末をするのは私なのよ〜。 という訳で、車で数分の職場まで主人を迎えに行くと、彼は建物の外に出て待っていた。 約束の時間に5分遅れてしまったので、ごめんねと謝ると、 「まあ、シオンが遅れるのはいつもの事だから」 と言うので、私は理由を言った。 「うんこ」 「……何だよ、ソレ。小学生男子か、『うんこ』て」 「違うの! 遅れた理由を述べたの! 『うんこしてた』って言いかけたのが、途中で言葉が詰まっちゃったの。出掛ける前にトイレに入ったら、突然便意が」 と言う私の言葉を遮って、主人は静かに言った。 「わかったから、もういい……」 私には、よくある事なのだ。 出掛ける前に突然の便意に襲われて、出掛けるのが遅くなってしまうのが。 きっと、そういう星の下に生まれたのだ。 うんこの精に呪われているんだろうなー。
帰宅してTVをつけたら、ニュースをやっていた。 神社の境内で銀杏拾いをしていた69歳の男性が、強風で落ちて来た大枝の下敷きになって死亡したと聞いて、何とも言えない気持ちになった。 私は銀杏が大好き。子供の頃から、毎年この時期が楽しみだった。 実家に住んでいた時は、朝早くから近所の神社に拾いに行った。 早起きは苦手だが、銀杏のためなら何のその。 風の強い日は最高だ。 人から見れば、台風の中を馬鹿だなあと思われる行動でも、危険を顧みずに拾いに行ったこの爺さんの気持ち、私にはとてもよく解る。 ご冥福を。
|