天上天下唯我独尊

2009年10月08日(木) 台風の日

3日前の天気予報では、金曜日は「暴風雨」と表示されていた。
それが昨日は普通に「雨」に変わっており、少し安心した。
昨日は夕方から風が強かったが、それはやはり台風のせいで、当初の予想より少し早く来たようである。
用事があって街中に出たが、外を歩くと凄い風。
雨が横から降って来るのだ。
傘を差しても、すぐに風向きが変わるので、持って行かれないようにするのが大変だった。
家の中にいると、風の音が凄い。
主人の職場は近いが、この雨の中を徒歩で帰って来るのは大変だ。
体重があるから飛ばされる心配はないが、スーツが濡れてしまう。
と、主人よりもスーツの心配をする私。
だって、濡れた服の後始末をするのは私なのよ〜。
という訳で、車で数分の職場まで主人を迎えに行くと、彼は建物の外に出て待っていた。
約束の時間に5分遅れてしまったので、ごめんねと謝ると、
「まあ、シオンが遅れるのはいつもの事だから」
と言うので、私は理由を言った。
「うんこ」
「……何だよ、ソレ。小学生男子か、『うんこ』て」
「違うの! 遅れた理由を述べたの! 『うんこしてた』って言いかけたのが、途中で言葉が詰まっちゃったの。出掛ける前にトイレに入ったら、突然便意が」
と言う私の言葉を遮って、主人は静かに言った。
「わかったから、もういい……」
私には、よくある事なのだ。
出掛ける前に突然の便意に襲われて、出掛けるのが遅くなってしまうのが。
きっと、そういう星の下に生まれたのだ。
うんこの精に呪われているんだろうなー。

帰宅してTVをつけたら、ニュースをやっていた。
神社の境内で銀杏拾いをしていた69歳の男性が、強風で落ちて来た大枝の下敷きになって死亡したと聞いて、何とも言えない気持ちになった。
私は銀杏が大好き。子供の頃から、毎年この時期が楽しみだった。
実家に住んでいた時は、朝早くから近所の神社に拾いに行った。
早起きは苦手だが、銀杏のためなら何のその。
風の強い日は最高だ。
人から見れば、台風の中を馬鹿だなあと思われる行動でも、危険を顧みずに拾いに行ったこの爺さんの気持ち、私にはとてもよく解る。
ご冥福を。


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