気付いたら、改正薬事法の施行から1箇月が経過していた。
施行直前の5月のある日、ラジオでNHK第1を聞いていたら、薬の通信販売についての話をやっていた。 改正に反対(=通販に賛成)と、改正に賛成(=通販に反対)というそれぞれの立場から考えるというものである。 改正賛成派として招かれたサリドマイド被害者は、安全性を考えると、薬のプロである薬剤師と実際に顔を付き合わせて購入すべき、と話していた。 改正反対派のゲストも(サリドマイド以外の)薬害被害者だったのだが、同じ薬害被害者でもこんなに考えが違うとは。 2人の話を聞いていると、悪いが、サリドマイド被害者のゲストは考えに柔軟性が欠けている気がした。 私は今のところ、通信販売で薬を買った事は無いので、一応中立の立場だ。 但し、今後僻地に移転した場合に利用したくなる事があるかも知れない事を考えると、通販で買えた方が便利である。
今回、主人が薬の副作用で大変な目に遭った訳だが、これも一種の薬害と言えよう。 勿論、薬はプロの医者に見立てて貰い、プロの薬剤師と対面で買った。 なのに薬は彼に合わなかったし、医者も薬剤師もそれを予見出来なかった。 そして、それはサリドマイド被害者の場合も同じだったのではないだろうか。 それを考えると、薬剤師による対面販売に、一体何の意味があるのだろう。 確かに、以前から通販が問題になっている種類の薬もあるが、医師の処方を必要としない類の薬であれば、今まで通りで構わないのではないだろうか。 通販では買えなくなるけれど、その代わりにコンビニで買えますよ、とは言うが、主人の次の転勤先は恐らくコンビニ過疎地。 薬事法が改正されても支障が無いのは、都会の人間だけで、田舎の人間は益々不便を強いられる事になる。 それに、薬局薬店に行けば、欲しい薬があるかというと、そうでもない。 品揃えは店によって様々だし、風邪薬はこれじゃないと効かない、腹痛はこの薬がいい、という好みや相性も人によって違う。 という訳で、通販でも買えるように元に戻して欲しいと思う次第である。
というか、薬剤師って高給取りだけれど、それに見合うだけの仕事しているのかしら……。 6年制にする必要も果たしてあったのかと疑問に思う。 薬剤師会は国会議員とべったりなんだろうなあと、黒い想像をしてしまう。
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