「テレチカ友の会」会長であるところの友人から、本を薦められた。 「新潮45」編集部の本である。 確かにこれは、食指が動く。 近所の古本屋に無かったので、我慢出来ず、普通の本屋で買ってしまった。 しかも全冊。
「殺人者はそこにいる」 「殺ったのはおまえだ」 「その時殺しの手が動く」 「殺戮者は二度わらう」
早速読み耽っていると、主人に白い目で見られた。 「あーあ、本当にシオンは猟奇殺人マニアなんだから……」 ちっ、違う! マニアなんじゃなくて、心理学や法律の勉強だよ!!! しかしこの本、一気に全部読むのは無理。 すぐにお腹が一杯になってしまうのだ。 1話読んだら他の事をしないと、心に負担がかかり過ぎる。 心が重くて鬱々としてしまうので、用法・用量に注意が必要だ。
シリーズ1作目「殺人者はそこにいる」の「熊本お礼参り連続殺人事件」に出て来る、遺族の言葉が重く胸に響く。
「残された被害者の遺族なんか、惨めなもんです。(中略) 他人が聞くと、そんな馬鹿げたことがあるか、ち思うでしょうが、我々の気持ちは理解できんでしょうね。憎しみと恐怖、それがこの数年間、交互にやって来るとです。 最近は死刑廃止論が盛んに叫ばれとるようですが、私に言わせれば、事件に何も関わっとりもせんもんが無責任な話ばするな、て思います。 だいたい、人を一人殺したら、自分の命でつぐなうのが当たり前じゃないでしょうか。それなのに、無期懲役でも十年経ったら刑務所から出て来て、簡単にまた人を殺す……そぎゃん馬鹿な法律があるでしょうか」
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