天上天下唯我独尊

2006年12月30日(土) 躁鬱憂鬱年末年始 その1

今日は朝からハイ・テンションだった。
だって、そうでもしないと、やっていられないからだ。
主人の実家に泊まりに行くのだ……今までは私が譲歩して日帰りだったのが、やがて1泊2日になり、それが何故か今回は2泊という事になっていたのである。
「えっ、2泊(も)するの?」
と私が驚いて訊き返すと、主人は
「だってこの前シオンが言ったじゃない、この年末は1泊でも2泊でもしたら〜って」
とムッとしたように言った……そうだっけ?
記憶の糸を辿ると、確かに言った気もする。
しかし、それは主人に親孝行して来たら?というつもりで言ったのであり、私も一緒に2泊すると言った覚えは無いのだが、主人の中では2人一緒にという事になっているらしい。
「えー私は嫌よ。貴方だけ2泊して来たら?」
と言いたいところだが、これを口にしたら確実に彼は気を悪くする。
嘗て、あの家には泊まりたくないと私がはっきり言ったら、彼は思いっ切りムッとしたのだ。
夫婦の間で隠し事はいけない。だから私は正直に言っただけなのに。

因みに、私が嫌いなのは主人の実家であり、彼の両親ではない。
彼の父は物知りで、話はためになるし面白いし、彼の母は嫌味ったらしくない大らかな人だ。
ただ、大らか過ぎて、私には細かい所が気になるのだ。
家の中を歩けば3年も前に死んだペットの毛が今でも靴下の裏にくっ付き、棚や抽斗の取っ手はうっすらと埃を被り、食卓の上には爪切りが放置され、鉛筆立ての中に筆記用具や耳掻きと共にからしやわさびのチューブが無造作に立ててあるような家に、私は泊まりたくないだけなのだ。
主人から見ると、そんな私は神経質で我が儘だという事になるらしい。
だが反対に私に言わせれば、よくそんな所に泊まれと無神経な事を言えるな。
そんなに泊まって欲しいなら、アンタが先に行って完全に掃除しておいたら?
そう言ってやりたいが、実際に言ったら険悪になるのは目に見えているので、今回だけは、私が大人になって譲歩してやる。

まあ所詮私はコドモなので、結局無理だったが。
盛り付け用に出された食器が汚かったので、一旦回収して台所で洗っていると、義母が言った。
「シオンさんがこっちに来て一緒に住んでくれたら、色々と私にはいい勉強になりそう」
義母にしてみれば、苛々する私に気を遣っての発言だったのだろうが、私には余裕が無かった。
反射的に「遠慮します」と勝手に口が……。
ごめんなさいでも本当に無理です、一緒に暮らすなんて。
やっぱりねえ、適度な距離があるから優しく出来るって事もあると思う。
同居なんてしたら、私のストレスが爆発して、義父母に嫌な思いをさせてしまうもの。


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