天上天下唯我独尊

2006年11月09日(木) 呪い返し

雌猿は発情すると、お尻が赤くなる。
猿から進化した人間は、お尻の代わりに唇に紅を引き、雄を誘惑するのだという説がある。
本当かどうか知らないが。

主人がこっそりお菓子をつまみ食いして、ポロポロと床に零して痕跡を残していたので私が叱ると、彼はぷぅ〜と膨れた。
その様子が子供みたいだったので、
「ぷぷっ、可愛いなあ。ほっぺが膨らんで、お尻みたいよ。尖った口も肛門みたいだし。あっ、そう言えば口の周りにはお髭が生えてて、もじゃもじゃにしたら益々肛門みたいになるわね」
と私が笑うと、彼は
「酷い。亭主の口を肛門扱いするとは怪しからん」
と憤慨していた。

翌日、帰宅した彼におかえりのちゅーをしようとすると、
「シオン、何か匂うよ」
とくんくんされた。
「昨夜は頭洗っていないからかな(毎日洗うと禿げるため、洗髪は1日置き)。そんなに臭い?」
と自分でもくんくんしてみたが、自分の匂いは自分ではわからぬものだ。
主人は私の頭をくんくんすると、
「違う、頭じゃない。もっとこう……」
「うんこ臭い?」
「まあ、それに近いかな」
ガーン……別にトイレを我慢している訳でもないのに、何故。
はっ、そう言えば。
「出てないの?」
と、心配そうに訊く彼。
「ううん、出たは出たけれど、調子が良い訳ではない。それでかなあ」
はっ、もしかして。
「口がうんこ臭いのは、貴方が呪いをかけたのね? 私が昨日、貴方の口を肛門みたいと笑ったから!」
「ふふふ、やっと気付いたか。人を呪わば穴2つ」(意味が違う気が)
早く解いて下さい、このヘンな呪い。


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