天上天下唯我独尊

2006年09月24日(日) 癒しの天使達

主人は犬が大好きだ。
しかし転勤族で、今はペット不可のアパート暮らし。
幾ら好きでも飼える環境ではない。
実家で飼っていた犬も死んでしまい、寂しい日々を送っている。

結婚1年目のとある休日、
「ペット屋に行こう」
と彼に言われた。
何しに? 金魚でも飼うつもりか? 世話は誰が?と思ったが、彼は犬を見たかったらしい。
彼にとっての無料の癒し空間、それがペット屋。

今日も買い物序でに、ペット屋に寄った。
休日という事もあるのだろう、人だかりが出来ている。
「可愛いなあ〜」
犬コーナーで、彼は早速メロメロである。
周囲の人々も、口々に可愛いと連発している。
「いいなあ犬は、皆に可愛いって言われて」
何故か彼が僻みっぽい事を言うので、
「あら、貴方も可愛いわよ」
と言って頭を撫でてやると、周囲の視線を感じた……変な人と思われたに違いない。
「シオン、変だよ」
と照れ隠しで彼は言うが、別に気にしなーい。
どうせ知らない人ばっかりだし。(仮令知人がいたとしても私は気にしないけれど)

パグを見て
「うわー、変な顔〜。しかも不細工の癖に値段高いし!」
と驚く私に、
「何を言うか。そこが可愛いんだよ」
と反論するパグ好きの彼。
「パグもブルドッグも可愛くないわよ。私はミニチュアダックスがいいなあ。ポメラニアンもかわええ〜毛糸玉みたいだ」
「ポメラニアンは煩いから駄目。すぐ噛み付くし歯が鋭いから痛いし。あっほら、ミニチュア・シュナウツァーだよ。昔飼ってた犬にそっくりだ。軍用犬だから賢いんだよ」
と彼は私の知らない薀蓄を披露するが、幾ら賢くとも私はあの犬種は好きではないのだ。
「ヤダ。あのバンダイク髭が、子犬の癖しておじさん臭いんだもん」
犬の好みも合わないのね、私達って……。

そこの店では、頼めば子犬を抱っこさせてくれるらしい。
「貴方も抱っこさせて貰ったら?」
と言ったのだが、彼は首を振った。
「抱っこしたら、そのまま連れて帰りたくなっちゃうから」
そうか、そうだろうな……。
特に犬好きでもない私でさえ、見ているうちに飼いたくなっちゃったもん。


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