休日、ダーリンと駅ビルに行った。 私の誕生日前後にコンサートがあるというので、誕生日プレゼントとして券を買いに出かけたのだが、ホールでも百貨店の売り場でも、良い席はもう無かったのだ。 駅の売り場で中ほどの席を買い、昼食を摂り、時間があったので駅ビルをふらふらする事に。 「そう言えば、最近シオンに服を買ってあげていなかったなあ。何か買ってもいいよ」 とダーリンは言ってくれたが、殆ど家で過ごすため、新しい服なんて勿体無いと私は思っていた。 しかし、運命の出会いが。 可愛い服だなあとマネキンの前で足を止めると、売り子さんに声をかけられてしまった。 「試着してみませんか」 色はドンピシャ、先日のカラー診断でOKを出された煉瓦色と深緑である。 ダーリンも 「その服ならいいと思うよ」 と言ったばかりではなく、服の飾りの模様を見て、 「いいじゃん、これ、格好いいよ!」 と大層お気に入りの様子……そうか、格好いいのか。 私は変な模様〜と思ったのだが。 やはりその辺の感性は違うようで、その事を改めて再認識したのだった。 試着してみると、やっぱり私によく似合う。 「ああ、やっぱりいいねえそれ」 買っても良いとお許しが出た上、暑くてじんわり汗をかいてしまったので、2着とも買って貰ってしまった。 着るのはタダだしなと思っていたのに、全然タダじゃなかったな。 「ありがと、今度は貴方のお洋服を買いましょうね」 と言ったが、彼は 「ううん、イラナイ。仕事は背広だし、家では部屋着でいいもん。それに、僕は自分の服には興味無いんだよなー」 なのだそうで……いいのかそれで。 矢鱈と自分をプロデュースしたがる男も嫌だけれどな。 でもうちの亭主は、ちゃんと奥さんの事を見ている良い亭主だ。
お会計を見て吃驚。 2万円超えてしまった……ヒィ。 勧められるままにスカートまで買わなくて良かったわあ。
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