「妖精作戦」笹本祐一 創元推理文庫
懐かしいタイトル。 著者のデビュー作である本書を初めて読んだのは、出版されて間のない頃で、高校 1年生だったと思う。 わあ、26〜27年前だね。 学園物のSF。超能力少女もの。 すべての要素がツボで、なおかつ、たたみかける様なテンポの速さに酔いしれました。 自分でも書いていたけど、ここに出てくる全寮制の星南学園と、那州雪絵のコミック 「ここはグリーンウッド」の舞台となった緑林寮が憧れで、そういう学校を作り出して 舞台としたほど。 本作はシリーズ1作目に当たり、このあと「ハレーション・ゴースト」「カーニバル・ナイト」 「ラスト・レター」と続きます。
今回は、出版社替えの新装文庫化。(なにせもとは朝日ソノラマ文庫。今はありませんから) 実は持っていた本を行方不明にしていたので、この本が出るのを楽しみにしていました。 今回の文庫には、作家・有川浩が解説を書いています。 彼女も妖精作戦世代なのは「レインツリーの国」を読めばよくわかります。 解説文にはただただ納得。そうそう、そうそう、と思いながら読みました。 そしてやはり、あのころの懐かしい自分に会えた気がしました。 飢えていたのです。 私、学園物のSFが、本当に読みたかったのよね。
シリーズ1巻目の本書は、ただただ気持ちよく、キャラクターがどたばたしています。 小気味よいテンポを楽しめばいいと思います。 楽しいから。
今の自分が読み返すと、確かに読みづらい部分も多いです。 確かに下手だよね; でも、補って余りある「何か」があるのです。
☆☆☆(星みっつ。やっぱ尻上がりだもん)
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