「天地明察」冲方丁 角川書店
冲方作品、ファフナーの次はこれって、どうなの私!?……な感もあることはあるのですが。 SF作品はシリーズが多くて、ちょっととっつきが悪いです。あまり時間がない昨今なので。
黒地に日月星のカバーは素敵ですが、どうにも一気読みは出来なさそうなので、 持ち運びが楽なようにカバー外して読みました。が、これは私にしてはかなり珍しいこと。 表紙外した中身がやっぱり素敵で、ちょっと嬉しかったです。 濃いベージュというか薄い茶色というか、そんな地にうっすらと模様が。箔押しかなあ? 今、たまたま手元にないのでいい加減かも(^_^;
暦って、あまり考えたことのなかった分野でした。 科学なんですね〜。 そして、旧来のものを改めることの難しさを、描いていますね。 最初にコミック版を読んだらあまりに面白くて、すぐに続きが知りたくて、原作に手を出した、 という、まさに逆順読みだったのですが、コミックにはお礼を言いたいな。 良い作品を読めたから。 数学は大っ嫌いだけど、和算の歴史をもっと知りたくなりました。 あと、主人公・春海が初代に就任した、幕府の天文方とやらのことも、もうちょっと知りたい。
後半、改暦にかかわる人々が次々とこの世界から去ってゆくくだりは、切ないの一言。 外出先で読んでいるというのに……にじむ涙に困りました。 みんな、夢を持って生きて、精一杯かかわって、為せたことも為せなかったこともありながら、後進に託して去ってゆく。 ロマンですよね。
時代小説という古臭さは、微塵も感じませんでした。 そこに、その時代に生きた渋川春海は、かわいい、魅力的なひとでした。
☆☆☆☆☆(文句なし 星いつつ)
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