日々是迷々之記
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| 2002年12月24日(火) |
バカの上にもクリスマスは来る |
今年のクリスマスは例年にないトホホさ加減だった。一昨年は病院のベッドの上。去年は2度目の退院から一ヶ月後でふらふら。今年のクリスマスはそれらを上回るトホホさである。
まず、朝起きたら風邪気味であった。これは先日衝動買いした毛布が妙に滑りがよく、毛布の上の掛け布団を滑らせてしまい、目が覚めると毛布にくるまって貧乏くさく眠っていたからだった。ううう、腰が痛い。
弁当を作り、会社へ行くと軽い頭痛が。電話では「はい、コペンハーゲンですね?」と言いながら、メモには「ヘルシンキ」と書いている始末。「北欧」までは合っているが間違いは間違いである。こりゃいかんなぁと思い、薬を飲んで、貼るカイロを腹巻きに貼る。
私の腹巻きはバカボンパパなどでおなじみの伝統的なものではなく、Tシャツの素材でできていて薄いものである。間違っても紫でラメ入りのゴム編みのものではない。何故シャツに貼らずに腹巻きに貼るかというと、腹巻きに貼ると、気分によって背中側に回したり、お腹側に回したりできるからである。無論、人前ではやらないが…。
腹巻きを回しているうちに昼が来た。ここで最大のショックが!弁当がないのである。多分キッチンにあるのだろう。脱力感でいっぱいになりながらコンビニでおにぎりを買う。トホホホホ〜。
昼からは家のキッチンに忘れられたお弁当のことが気になってしょうがなかった。人知れず腐ってゆく弁当。何だかかわいそうである。そうしているのは私。ううう、自己嫌悪に見舞われながら仕事をやる。今日は人が少ないので異常に忙しい。世間はクリスマスで浮かれているのに私は腹巻きにカイロを貼り付け、弁当を腐らせながら電話対応に追われている。う、鬱だ…。
しかし、どうにか仕事は終わり、帰る時間になった。同僚は皆、デートやら食事会やらでちょっと楽しそうである。私はこれからカブで家に帰り年賀状を刷る。家で待っているのは家族ではなく腐りかけの弁当…。私はカブをとばしてスーパーの閉店に間に合うように走った。せめてご飯だけでも救助して、おかずと共に食べるのだ。で、おかずを買いたかったのだ。が、時は6時55分。7時閉店のそのスーパーは半分シャッターが閉まっている。…。
私はせめて酒でもと思い、ジャケットのポケットに500円玉を入れて酒屋にカブで向かった。自販機に横付けして500円玉を入れると落ちてくる。よく見ると500円玉は使えないのである。うがが〜っと鞄の中の財布から1000円札を出して、モルツのロング缶をゲット。ふらふらになって家に着いた。
郵便受けには風俗のチラシに不動産のチラシが押し込まれており、がががっと掻き出し丸めて捨てて、手紙だけを取ろうとした。すると赤く輝く広告が入っている。ドミノピザである。エレベーターの中で私はそのメニューを熟読し、写真に見入った。ピザ。湯気の出たピザ…。私はココロを決めて家に着くなり受話器を上げた。
「レギュラークラストのMサイズ。トロピカルとスパイシーミートのハーフ&ハーフお願いします。」く、食ってやる!幸いにして、キッチンの残された弁当はおかずはやばかったが、ご飯は大丈夫だった。ご飯はラップでくるんで冷凍庫へ。せめてもの弔いである。私は顔を洗って、メールチェックをして、小銭をそろえてピザの来るのを待った。
ピンポーン!来た。来たのである。私はそそくさと玄関を開けた。するとピザ屋さんはサンタクロースのように、鞄から大きな箱を私に手渡した。「1890円です。」ああ、一時間の時給より高いがそんなことはいいのだ。このずっしり感、ホカホカ感。すべてが今日一日を吹き飛ばすプラスの力だ。ありがとう。ドミノピザ。
私はそそくさとマックの前にピザを持ってゆき、冷蔵庫からモルツを取り出し、ぷしゅ!クプクプ!ぷは!べりっ。ガブ!あちちち!などと一人で繰り返した。あーうまかった。
iTunesで好きな音楽を聴きながら、ピザを食べ、ビールを飲み、ネットをふらふらする。こんなクリスマスもいいではないか。うんうんと一人うなずく30歳の冬であった。
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