日々是迷々之記
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| 2002年04月14日(日) |
バイクツーリングことはじめ |
目が覚めると外は気持ちよく晴れ上がっていた。風もない。空はにこにこの青空だ。ヨシ!久しぶりにツーリングだ!と思い立った。
一昨年の8月に交通事故に遭ってから去年の暮れに症状固定をするまで、一切バイクには乗らなかった。というより、怖い気持ちから乗る気にはなれなかったのだ。それは、症状固定をしてからも気持ちは変わらず、ホームセンターや市場に行くときにちょっと乗るだけだった。
しかし、クルマに乗るようになってから、バイクが懐かしくなってきた。ごく当たり前だが、風や、温度がダイレクトに体にあたってくる感覚がやはり欲しくなってしまう。特に助手席に乗ると眠くてたまらなくなってしまう。バイクに対する憧れがすこしづつ育ってきていた。
そして、4月になりダンナさんは出張で今度は三重県に行ってしまった。土日も戻ってこないので、さて何したもんかと多少持て余し気味だった。
ということでバイクである。気の向くまま、てきとうに走る。そういうツーリングはひとりもんのとき以来である。さっそくペットボトルにお茶を入れ、ヘルメットを持って外へ出た。
相棒はカブ90である。カブちゃんなどと呼んでいる。何かやりたいことを惜しみなくやろう、ということで、神戸にケーキを食べに行くことにした。大阪から神戸までだいたい40キロ弱。カブで走ったことの無い距離だ。さてどうなるか。
まず、国道43号線にでた。これは高速道路と併走しているのでかなり高速で流れている。案の定、70キロキープしているのにびゅわんびゅわん抜かされて生きた心地がしない。帰りはもう一本北側の国道2号線を走ることに決めた。
びゅわんびゅわん抜かされながらもどうにか神戸、元町まで辿り着いた。時計を見ると、家を出てから1時間以上経っている。やはりカブはゆっくりだ。だんなさんの1200のロードバイクにタンデムして神戸に行ったときは40分弱で着いたと記憶している。それはそれで怖いんだけど。
元町にはJRAの場外馬券売場があり、人でごった返している。わたしはさっと路地に入り、電信柱の脇にカブを止めた。またこれが違和感がないのだ。ホイールベースはママチャリほど、前かごがついており、荷台は新聞用のでっかいのが付いている。これで風防とハンドルカバーがあったら絶対誰もツーリングのバイクとは思わないだろう。
荷台にヘルメットをU字ロックで固定して歩き出した。目指すは元町ケーキというケーキ屋さんだ。おしゃれで洋風のケーキ屋さんが多い神戸では珍しい、「日本っぽい素朴な」ケーキが売りだ。そこで、タマゴのスポンジに生クリームを包み、上にイチゴと粉砂糖がかかった「ざくろ」(本当にそれっぽい外見なのだ)と、ヨーグルト風味の「レアチーズ」を買う。2つで499円。
次は「いすずベーカリー」へ寄った。ここのパンはとりあえず、日本最ウマ!と思う。イギリスパン系の山食4枚切り220円と、手のひらサイズのまるっこいフランスパンを4つ買った。
カブに戻り、プルルンとエンジンをかけると、海に向かった。ここらの南側一帯はメリケンパークという公園になっており、遊覧船を見ながら芝生にねっころがれるというすてきな公園なのだ。
木陰に座り、まずブーツを脱ぎ、靴下も脱いだ。そしてお茶を飲んで、おもむろにケーキを食べる。うまかった。スポンジのしっかりした感じがうれしい。イチゴも大粒でにこにこだ。あっという間にケーキ2個を食べてお茶を飲むと、なんだか風がここちよいことに気が付いた。
枕代わりにリュックを置き、お腹にGジャンを乗せて寝転がる。なんか本でも持ってきたらよかったなあと思いつつ、小一時間ウトウトした。
気が付くともう4時過ぎだ。まだ暖かいけれど、日が陰ると一気に寒くなってしまうだろう。カブといえどもバイクなので、日が沈む前に帰ろうと思った。
帰りは2号線で帰ろうと思ったが、以前ダンナさんと来るまで通った道を行くことにした。そこは、2号線よりもひとつ山側で、両脇に街路樹、中央分離帯も街路樹で、道が曲がりくねっていてアップダウンが激しい。気分はF1のモナコグランプリなのだ。(あくまでそういう気分なだけだけど)
今はつつじの時期で、白とピンクの植え込みを愛でながら、にこにこひゅんひゅんと走った。ああ、たのしいなぁと思えるのはこんなときだ。違う市に入り、街路樹がとぎれるまで約20キロ信号は多いけど楽しい道のりだった。
そこからは2号線に入り、マフラーのうるさいバイクやクルマに多少イライラさせられながらも、あまり渋滞していなかったので楽に家に帰れた。帰りの所要時間は約1時間半。電車でも1時間とかからずに着くのにと思うと、バイクはやっぱり道楽のものなのだ。
でも、楽しかったので、つかの間のひとりもん生活はバイクでてこてこ行こうと思う。来週は南の方に行こうかなぁ。
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