日々是迷々之記
目次


2002年01月06日(日) 物欲魔人、襲来!

印鑑証明というものを作ることになったので、印鑑を買うことになった。家に印鑑があるにはあるのだが、それはダンナさんの実印になっており、それとは別に私の実印がいるそうなのだ。

しかし、私はシャチハタ以外の印鑑を購入したことがなく、普通の印鑑がどこに売っているのか分からなかった。商店街の文房具屋さんならありそうだが、日曜日に商店街は閉まっている。

そこで、(私にとって)娯楽の殿堂、「東急ハンズ」に行くことにした。ここには魔物が潜んでいるとしか思えない。文房具、調理器具、輸入物の気の利いた家具、無添加せっけんの類、工具類。理科の実験道具まで売っているのだ。ここに行くとふらふらとしてしまい、ものすごく時間を食ってしまうのは目に見えている。そしてお決まりの散財…。ということで、なおぞう家では東急ハンズには足を踏み入れることを禁じていた。(お互いに)

しかし、はんこのためならしょうがない。わたしはバスに乗りハンズへと向かった。最上階の文房具売場であっさりとはんこは見つかった。と、同時に朱肉付ケースも購入。次は下の階で超大阪ちっくなはがきを購入。海外の友人用だ。今度は化粧品の階へ。ここでなんと、前から気になっていたドイツの化粧品を見つけた。ネットで見つけたのだが、やはり実物を見ないと買う気になれず、カタログを見てうなっていたものだ。やはり実物はヨカッタ。ふらふらと口紅を購入。実は口紅を買うのは人生でこれが3度目。前の2本はあまりにも使わないので脂臭くなり、最後には溶けてしまった。いやはや、今回のは大事にしなくては。

次の階は家具売場。ここでも見つけてしまった。垂涎の鉄の本棚だ。倉庫などにあるアングル棚の奥行きを狭めたもので、奥と、側面にこぼれ止めのワイヤーが張ってある。いいではないか〜。現在、家ではカラーボックスに本を突っ込んであり、その重みでカラーボックスは崩壊寸前なのだ。この鉄の本棚を2つ購入すれば、とりあえず、段ボールに突っ込んである本に日の目を見せることができるはず。しかし、これは持って帰れないので、クルマを買ったらダンナさんと来ようと決める。

この家具の階にはもっとそそるものがあった。それは、手作り楽器キットなのだ。ウクレレ、ミニギター、バンジョー、バイオリンなどがある。ミニギターはかなり惹かれてしまった。もっとも、今持っているウクレレを弾きこなさないと勿体ないけど。

そして、一階の鞄売場で沈没した。会社に持っていけるようなデザインで、A4ファイルとお弁当、ペットボトルが入るような鞄を探しているのだ。入院前までは、バイクで行っていたし、制服があったので、まるっきり日帰りツーリングの格好で通勤していたのだ。木曜日からは制服ナシ、地下鉄通勤なのでリュックを背負ってというわけにはいかない。しかし、そこではオビに短しタスキに長し、という感じで欲しい物はなかった。

外に出ると、もう日が沈んでいた。時計を見ると到着してから4時間が経過している。ここからバス乗り場までは大阪一の活気ある商店街だ。お腹もすいたし、散財もしたくないからさっさと帰ろうと心に決めて歩き出した。

が、世の中はバーゲンである。ふと見ると良さげな革靴がこっちを向いている。ふらふらと靴屋に吸い込まれると、私が探していたものに近い。でも、サイズがなかったのでがっかりするやら安心するやら…。

次は鞄屋さんだ。ここはブランドものの店らしく数点がディスプレイしてあるだけで店内は閑散としており、マダ〜ムな店員さんが厳かに構えている。普段なら全然縁がないタイプの店だが、一番手前に、前述の私の希望を満たした鞄があったので吸い込まれた。

その鞄は素晴らしかった。A4ファイルはちゃんと入る。ハンドバックなのだが、肩紐もついており、肩に掛けることもできる。しかし、トートバックのように角張ってでかいタイプではない。まちも大きいのでお弁当もOK。しかも、入り口はちゃんとファスナーで閉じるようになっている。牛革と目の詰まったナイロンのコンビでナイロン部分は防水加工。うむむ。質実剛健。私好みなのだ。

ジーパンにワークブーツにピーコートという場違いな私にも店員さんはやさしい。丁寧に仕様を説明してくれた。鞄の底に傘を入れるトンネルのような部分もあったのだ。「よろしければ、どうぞ。」と、いい紙でできたカタログをくれた。「買え〜」と電波を送って来ないところが気に入った。3回飲酒を止めれば買えるとは思うのだが、これが高いのか、安いのかよく分からない。実はザック以外の鞄を買ったことがほとんどないのだ。値段的には70リッタークラスの巨大ザックと同じくらいの値段なのだが。(比較するのもおかしいかも)

鞄の誘惑にふらふらしながら歩くと商店街も終盤だった。しかし、ふと見ると安いので有名な布地屋さんがたたき売りをしている。覗くと、これまた私が探していた布地があった。「クレーマークレーマー」の映画に出てきたような空の模様の布だ。激安だったので一気に3メーター購入。これで脱衣場の間仕切りを作ろう。

もうすこしで商店街を抜けられる!というところで今度は輸入食料品屋が手ぐすねを引いている。クリスマスの残りのお菓子&ワインセットがお得感バリバリだ。奥にはシャンパンが安売りしている。はぁはぁと荒い息を吐きながら買わずに出てきた。空腹で判断力が鈍っている。こんなときに買い物をしてはいけないのだ。

かくして、物欲魔人に翻弄され、5時間の旅を終えたわたしは燃えカスのようになって家に辿り着いた。


nao-zo |MAIL

My追加