uchie◎BASSMAN’s life

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2003年10月15日(水)
■Jimi Hendrix

今日もポレポレ東中野へ行った。今日の上映は「Jimi Hendrix」だ。
確か高校生頃にビデオで見たかもしれない。レンタルでもあるかもしれない。でもスクリーンで爆音で見てみたかったのだ。なかなか映画館で見れるもんじゃないし。

例によってこの映画館はまた空いていた。ジミヘンともなればもっと人が集まるかと思ったのに。知ってる人がいたら「おお、来てたの!?」なんてことになって楽しいのに。「ジミヘンは天才なんだよ」って言ってた僕のまわりのバンドマンやDJの方は誰もいませんでした。

いつものごとく映画館の真ん中あたりの席に座った。隣に人がいないのでいつもリラックスして見ることができる。カウンターで、前回も飲んだジンジャーエールを買った。緑色の細いビンで、何てなまえだったかな。他で売ってるの見たことがない。たぶん外国の。これがびっくりするぐらい辛くてクセになりそう。喉がカーっと熱くなる。それをチビチビやりながら映画を見るのである。

この映画は、ジミヘンと関わったミュージシャンやスタッフ、父親たちのインタビューとライブ映像を交互につないだ構成だ。いろいろな人のそれぞれ違った視点による話から、ひとりの人物を浮かび上がらせようという試みだ。
伝説となってしまったミュージシャンにとって当時のまわりの人のインタビューは貴重だ。音楽評論家の記事を読むよりリアリティーがあって面白い。ピート・タウンゼントにとって、彼の出現は相当ショックだったみたいだ。けっこう真面目に答えている。ミック・ジャガーは寝癖のついたアタマで眠そうに答えている。
なかでも面白いのが、何回も出てくるリトル・リチャードのインタビュー映像だ。ジミヘンのように派手な衣装を着て、髪の毛を爆発させ、目をギラギラさせながらイスに座ったり立ったりして大きな身振り手振りで話すのだ。いかにも自分がその才能を発見し育てたかのような話し方だ。
どうやらジミヘンとリトル・リチャードを対照的に表しているようだ。どんなに派手な衣装を着ていてもいたって自然に振舞うジミヘンと、ロックの王者であることを誇示するかのようなリトル・リチャード。ロックンローラーの対極的な姿だ。存在そのものが全く以っていかがわしいリトル・リチャード、それもまたロックンロールだ。
そしてジミヘンは、デビュー当時からだんだんとロックスターというより芸術家の姿に変っていくようだ。その度バンドを変え、スタイルを変化させていっている。
しかしこの映画も彼のすべてを物語っているわけではない。周囲の人と深く関わろうとしない彼。宙を見つめて考え事をしていることが多かったようである。内的宇宙であるブルースを超えて作られた後期のジミヘンのサウンド。もし生きていたら…。答えはやはり伝説の中である。


〜帰りに高円寺で、以前対バンしていたカリフォルニア・ガールの赤澤くんと道でばったり会った。よく見たらそこは彼のアパートの前だった。こうして偶然はなしが出来るのは楽しいことだ。〜