uchie◎BASSMAN’s life

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2003年10月12日(日)
■YEAR OF THE HORSE

今月はポレポレ東中野にて、“ROCK FILM IN HIGASHI-NAKANO”と題してロックをフィルムの特集をやっている。
きょうはジム・ジャームッシュ監督の「YEAR OF THE HORSE」を見た。ニール・ヤング&クレイジー・ホースを追ったロードムービーだ。
ニール・ヤングのアルバムは一度も買ったことがないので詳しくないのだが、好きなミュージシャンがフェイバリットアーティストに挙げていたので興味があった。
8ミリでの撮影ということで、映像は全体的に荒々しく生々しい。
特に印象的なのは、ライブ映像とツアーバスの窓から見える曇り空がオーバーラップするところだ。
立ち止まることのないクレイジー・ホースの演奏と、終着地のない旅が重なり合う。
それにしてもシンガーとバックバンドというアメリカにありがちなスタイルだが、実際はそうではない。けしてニール・ヤングの歌の伴奏という形態ではないのだ。
各メンバーの音像と音像が重なり合い、ある空間を作り出しているようだ。けして分かり易くはない。直接的なメッセージではなく、包み込むように夢の中まで引きずり込むようなサウンドだ。ギター、ベース、ドラムというシンプルな構成でこのような音が作れるのはすごいことである。
荒れた映像の中の、ニール・ヤングの姿に凄みを感じる。髪の毛はまばらに抜け落ち、深く刻まれた皺の形相でギターを掻き毟る。
メンバー全員、一見ただのオヤジであるが、この芸術性あるサウンドはなんだろうか。いや、そんな奇をてらったものでなく、人生を走り続けている様なのだろう。