uchie◎BASSMAN’s life

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2003年09月19日(金)
■単館上映「アンナ」

ポレポレ東中野という映画館で映画を見た。邦題は『アンナ〜まなざしの向こうに〜』、原題は『ANNA WUNDER』。ドイツの映画である。
映画館というと学生の頃からユーロスペースが好きだったが、またいい映画館を見つけたなあと思った。結構マイナーだがいいものをやってる。建物の造りもすごくいい。
18:50からの回で見たのだが、観客は自分を含めてたったの4人。前の席に座る人はなく、ゆったりと見れた。ちょっと寂しいが。
監督、脚本はウラ・ヴァグナーという女性監督だ。初作品らしい。の割にはよく出来ていた。
話もよかったが、映像がまたよかった。なかなかない雰囲気を出している。微妙な曇り空で、風景全体が微妙な青みがかった緑や、緑がかった水色や乳白色で、淡いトーンと柔らかいコントラストを出している。
非常に風景やディティ−ルにこだわりが出ている。特に少女がたびたび訪れる水溜りで、カエルの成長を見守る姿。少女が食べ物を盗んだ店。叔父に与えられた部屋。父親と再会する教会。どの場面もそれぞれ統一された調和を持っている。
(こんな感覚はきっと、フレンチポップやスウェーデンポップを聞いていて、セレクトショップが好きなオンナノコが好みそうだが、そいうこが来てないのが残念だ)
話としては最後は意外な展開を見せるのだが、少女は賢くそして力強く生きていくのであった。
女性監督ならではの視点で、こんな映画がもっとあっていいと思った。