みかんのつぶつぶ
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季節が移ろい行く様をひしひしと感じるのが9月だなと、 この時期になるといつも想う。 真夏の欠片が残る昼間の光と、 夜風の涼しさに一層寂しさを感じさせる虫の声。
蝉が、いつの間にか鳴かなくなった。
電話が、かかってこなくなって。 ひとりで、起きていられなくなって。 病室に入ると、いつも横たわっていてるようになってしまった、 そんな季節。
あんなに元気でいてくれたのに、 あんなに我がままいって困らせてくれたのに。
ベッドの上ひとりの時間に、 キミはなにを想って過ごしていたのだろうかと、 未だに思い煩う。
私を待っていたってことだけは、 痛いほどわかってはいるのだけれどね。
でも時々、 私が居たことすらも、 わからなくなってきてしまっていたことを、
死んでしまってから知ったんだよ。
ごめんね。
ごめん。
5年前の今日、 ニュースを見ながらベッドの上で食事をしていた。 ビルが崩れ落ちるニューヨーク。 「ひどいことするなあ・・・」 つぶやいたキミの声を、思い出して。
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