みかんのつぶつぶ
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死んでしまいたいと強く念じると、 本当に死んでしまうこともあるってどこかで聞いた。
悲しすぎて、涙を流すことを忘れてしまった経験はした。 苦しみを全て内側に飲み込み嗚咽しながらも、 涙は流せなかった。 現実は、壮絶なる闘いだった。
閉じた瞼は二度と開かず 閉じた唇に二度と言葉はなく それでも横たわるその顔に、 この世の光は燦燦と降り注ぎ、 死して戻った自室で眠る彼の、 その瞼が眩しかろうと気遣い、 息子は窓辺のカーテンをそっと 閉めた。
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