みかんのつぶつぶ
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2004年06月15日(火) 空へ



先日、横須賀へ行ってきた。梅雨の晴れ間で30分弱の電車の旅。途中の北鎌倉では紫陽花を見るための人々が連なり歩いている様子を、車窓から眺めてプチ観光気分。


私のルーツ、横須賀。階段のない駅、海に浮かぶ船の仰々しさに戦争の匂いを感じる場所。祖母の兄弟も、戦争で散っていったのだという。


その祖母も、もういない横須賀。
祖父が、アルバムを数冊私の前に持ってきて、一枚一枚めくりながら語りかける。祖母の同窓会の写真、兄弟の軍服姿、母や叔父たちの幼い頃の様子、そして、私たち姉妹が無邪気に笑う幼い頃の写真。


祖父と母には二十年ぶりに会った。叔父とは私が10歳のときから会っていなかった。とっても近くにいるのに、長い空白を作っている。いつでも会いにいけるという安心感がそうさせていたのだろう。母は新しい家庭を築き平和に暮らしている。私も家族を作り、それぞれがそれぞれの場所で役割を果たしているのだ。


横須賀は、祖母が迎えてくれる街だった。
会いにいきたくて、横須賀という地名を聞くだけで切なくなっていた。
祖母の家まであと数段という階段の、一段一段がとっても高くて高くて、なかなか昇れず必死になっているという夢を何度も見ていた小学生の頃。夢のなかでも、祖母に会うことは叶わなかったのだ。



甘えていい場所だった。私たち姉妹を全ての人々が愛で包んでくれていた。
いつか私に孫ができたら、同じようにしてあげようと思うんだ、おばあちゃん。


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