みかんのつぶつぶ DiaryINDEX|past|will
毎日、何気なく昇り降りしているこの階段が、病院からの外泊を困難にしたんだったなと思い出す。元気な頃は、車の鍵をチャラチャラと鳴らしながらトントントンと、かけ昇っていたのにね。 窓を開けていると、部屋のなかでも彼が帰ってくるのがすぐわかるほど。 出かけるときも元気な足取りで、 スタスタスタっと、かけ降りていたのにね。 いま、こうして過ぎた日にいる私には、 そんなことも、遠い遠い日になってゆく。 どんなことも、遠く遠く終わったこと。 遠く遠く、笑顔も翳み、 残るこの胸の痛みに耐えるしかなく。 ただただ、忍ぶしかなく。
みかん
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