Sun Set Days
DiaryINDEX|past|will
2003年05月30日(金) |
『めぐりあう時間たち』+風邪 |
3日ほど前からどうやら風邪気味で、昨日から本格的に風邪を引いてしまった。 熱があるのと(38度前後をいったりきたり)、咳がとまらないのと、昨日からは鼻水まで出てくるようになってしまっている。 幸い、今日も休日だったのでゆっくり休もうと思っていたのだけれど、このDaysを書いている21時過ぎ現在、熱はまだ引いていない。
今日は7時過ぎに起きて、午前中ちょっと会社に顔を出してくる。昨日帰りが遅くなってできなかった引き継ぎをするのと、上司とちょっと直接話しておきたかったことがあったためだ。そうして1時間ほどそこにいて「風邪だな、それは」とか「すごい鼻声ですよ」とか言われたりする。
そのまままっすぐ帰ればよかったのに、帰りにせっかくの休日を1日中眠っているのも残念なことのような気がして、バスで映画館に行く。それから前から見たかった『めぐりあう時間たち』を観る。平日の午前中最初の上映は1200円なので重宝する回だ。
ストーリーは、チラシから引用するとこんな感じ。
誰の人生にもやってくる普通の朝が、また始まろうとしていた…… 1923年ロンドン郊外、作家ヴァージニア・ウルフは「ダロウェイ夫人」を執筆している。1951年ロサンジェルス、妊娠している主婦ローラ・ブラウンは夫のために蒸すことバースデイ・ケーキをつくり始める。2001年ニューヨーク、編集者クラリッサ・ヴォーンはエイズに罹っている友人の作家の受賞パーティ準備に奔走する。朝の後は昼になり、そして夜がやってくる。三つの時代の、三人の女たちの一日は、それぞれの終わりへと向かっていた……。
体調が悪く、周囲にできるだけ迷惑が掛からないように咳を押し殺しながらの約2時間弱だったのだけれど、3つの時代が交互に移り変わり、少しずつ関連性が紐解かれていく様は見応えがあった。他人の心の傷や思いのようなものには、結局どこまでも触れることのできない部分があって、けれども一緒にいることやその人のために何かをしようとすることで、少しでも近づいていくことができるのだということ、それが結果として報われないとしてもそこに意味はないということはないのだというようなことをぼんやりとした頭で思っていた。 それでも、それすらも自己満足や思いこみでしかないのかもしれないということを考えさせられたし、言葉を尽くしても気持ちを尽くしても届かなかったりすれ違ったりしてしまう致命的な何かが、物語に深い彩りと重厚で陰鬱なトーンを投げかけているのはリアルではあるけれどもやっぱり悲しいことのように思えた。クラリッサの娘が「お母さんの友達はみんな悲しげだわ」というような台詞を言うシーンがあるのだけれど、まさにそんな映画だった。繊細であることと、その上に意志の洋服を着ることがうまい人ばかりではないということを、朝から夜、そして三つの時代の関連性という短い時間軸と長い時間軸を最後に重ね合わせることで見事に表している。 そして、それでもまた朝は訪れるのだ。
平日の午前中ということもあって、主婦っぽい人の姿がとても多かった。40人くらいが観ていた。
映画が終わってから、すぐ近くにある公園を少し散歩する。大きな公園で前にも訪れたことがあったのだけれど、風が涼しくて気持ちよかったのと、具合が悪いので緑の中で太陽の光を浴びることは大切かもしれないと思ったのだ。 そんなことしていないで早く部屋に帰って眠れよとは思うのだけれど、それでも1時間ほどその公園をゆっくりと散歩して、小高い丘から景色を見たり(ベイブリッジなんかが遠くに見えた)、涼しい風に大きく体を伸ばしてみたりしていた。 ウォークマンで音楽を聴きながらの散歩は気持ちよかったのだけれど、体調はやっぱり悪いままだった。 平日ということもあってか、小学校に上がる前の子供たちを連れた主婦の姿と、老人たちの姿ばかりが目についた。20代の男性が1人でというのにはその一時間に1人しかすれ違わなかった。ゆるやかな緑の斜面にビニールシートを敷いてお弁当を食べている友人同士と思われる母親2人と子供たちや、遊具にしがみついて遊んでいる子供たち。並んで散歩をしている初老の夫婦。みはらし山からカメラで遠くの景色を写している老人。デジタルカメラを持ってくればよかったなと思いながら、その公園で見ることができる動物たちという看板を見たり(絵付きの看板。ヒヨドリやカワラヒワ、キタテハなど)、昔は牧場だったのだという公園の由来を読んだりする。
それから、バスを乗り換え、途中で汗をかいた方がいいかなとラーメンを食べてから部屋まで戻ってきた。 熱はそのときも下がってはいなくて(当然だろうといま書いていて思うのだけれど)、それからはずっとさっきまで眠っていた。途中、後輩(結婚一年目)から夜ご飯を食べに来ませんかという誘いの電話があったのだけれど、それも泣く泣く断りを入れるしかなかった。行きたいのはやまやまだけれど、他の人にうつすわけにはいかないし。
あんまり眠り続けることもできないので、いま起きてDaysを書いているのだけれど、またすぐに眠ろう。明日明後日と稼ぎ時の週末だし。 確かに最近は仕事も遊びもとちょっと睡眠時間が短かったり、朝まで起きていたという日も数日あったりと生活のリズムが崩れていたから、その結果としてこうなるのは目に見えていたような気はする。いずれにしても、休息するときにはちゃんとしないとなと、あらためて思った。
─────────
お知らせ
『めぐりあう時間たち』は映像がとてもきれいでした。
|