Sun Set Days
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2002年11月09日(土) |
『鈴木敏文の「統計心理学」』 |
今日は仕事。黙々と来期の予算を作成する。電話もかかってこないので、かなりはかどる。 休憩時間には、スニッカーズを食べる。 スニッカーズはたまに食べるとおいしい。 たまに食べるとおいしいものって結構ある。
「かっぱえびせん」とか、
「ポテトチップス」(うすしお味)とか、
「きのこの山」とか、
子供の頃によく食べたようなスナック菓子ばかりだけれど、やっぱりそういう子供の頃に食べていたようなお菓子って、妙に懐かしかったりする。
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『鈴木敏文の「統計心理学」』読了。勝見明著。プレジデント社。
鈴木敏文はセブンイレブンの会長であり、イトーヨーカドーの社長。いわゆるIYグループのトップということになる。 この題名は、フリーのジャーナリストである著者が、鈴木敏文へ数々のインタビューを行い、彼の経営が「統計学」と「心理学」に基づいたものであるという実感を持ったことからつけたものだ。また、サブタイトルに「「仮説」と「検証」で顧客のこころを掴む」とあるけれど、確かにその通りの内容が書かれている。本書を読んでいると、お客様の心理を常に考え、それをただ主観だけで推し進めるのではなく客観的な統計からも読み取って産み出したアイデア(仮説)を、実際に現場で試してみる(検証)ということを非常に重んじているのだなということを強く感じる。
本書の中には、金言集のようにいくつもの示唆に富む発言が収録されているのだけれど、そこにはセブンイレブンを育て上げた経営者としての一本の柱のようなものがあって、なるほどと思わされるものも多い。もちろん、すべての発言に頷けるわけではないし、たとえば個人的には「他店の店は見る必要ないと社員に言っている」というような部分は、その説の理由には納得することができるのだけれど、その考え方にはやっぱり共感することができない部分はある(やはり、これはある程度すでに店を見ている人の発言のような気がする。経験のない若い人の場合には、ある程度引き出しの中にいろいろなものを入れておかなければならないということはあると思うのだ)。 それでも、納得させられることの方が多い。当たり前のことを、いろいろな角度から語る人という印象。
また、セブンイレブンのOFCを毎週火曜日に全国から本部に集め、直接のコミュニケーション(講話)を行い続けているということもすごいと思う。そのための経費だけで年間30億円かかるそうなのだけれど、その経費よりも、その場で共有することのできる形にならない力のようなものを重視しているのだ。
そして、顧客へのこだわりについても考えさせられる。繰り返し繰り返し社員に向かって基本を説く姿は、本当にある種の伝道師のようにすら感じられる。
いくつかを引用。
環境が目まぐるしく変化する時代には、論理的に導き出せる「正しい解答」はなく、常に仮説と検証を繰り返しながら、変化に対応していかなければならない。(7ページ)
「完売」は「売り手の満足=客の不満足」(56ページ)
「自分だったらこんなものがほしい」と考え、商品をつくったり売ったりするマーケティングを「井戸モデル」と呼んでいる。自分の思いを掘り下げていくと、買い手としてのニーズが湧き上がってくる。そして、掘り進んだ井戸の底には地下水が流れ、その地下水は隣にいる顧客の井戸とつながっている。 一方、顧客は川の向こうにいるものとして、標的めがけて撃つのが「川モデル」だ。凡人は一度、川の向こうに投げたボールが顧客に当たると、成功体験に味をしめて、以降もそこに顧客がいると思い、ひたすらボールを投げ続ける。顧客はもはやそこにはいないから、当たるわけがない。(64ページ)
情報には「分子として表わされる情報」と「分母として表わされる情報」がある。(……)例えば、「ピアノがうまい」という分子の情報は、分母が「ジャズメン」か「会社員」かによって大きく変わってくる。(133ページ)
ここ数年、脚光を浴びているナレッジマネジメントの”元祖”的存在であり、世界的に知られる野中郁次郎(……)教授によれば、企業が追求し実現しようとする価値には、「相対価値」と「絶対価値」があるという。「相対価値」の追求とは、競合他社との比較で、より売れる商品を出して競走に勝とうとすることであり、「絶対価値」を追い求める企業は競争に勝つこと以上に、自分たちがつくりたいものやつくるべきものをつくり、売りたいものや売るべきものを売ることを大切にする。(145ページ)
「失敗学」を打ち立てた前出の畑村洋太郎(……)教授によれば、 「かつて企業の発展期には会社そのものが試行錯誤を繰り返し、一人ひとりの社員も失敗を恐れずさまざまなチャレンジの選択肢があった。それが成熟期に入ると、できあがった仕事の仕方のメインルート以外は切り捨てられ、社員の仕事もマニュアル化し、単線化してしまう。しかし、アイデアの種は一人ひとりが仕事の範囲を限定せず、多くの失敗を含むさまざまな経験から出てくるものだ」(169-170ページ)
「以前、マネジャーを担当した地区は、新規開店の店が多く、最初はなかなか売り上げが伸びませんでした。心配になってお店を訪ねたら、オーナーご夫妻は、こんなにお客が来てくれて本当にうれしいと言うんです。われわれは、お客が少ないから、どうしようと数字のことを考えていた。それに対して、オーナーは、もともと更地だったところに店を出し、チラシを配っただけなのに、これほどお客が来てくれる。だから、自分たちがもっと基本四原則をしっかりやれば、きっとお客は来てくれると信じていた。その店は、今はまったく心配ないほど伸びています」(208ページ)
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お知らせ
今日読んだ「日経MJ」に、スターバックスコーヒーが赤字という記事が出ていました。 週に1度はキャラメルドーナツを食べてささやかには貢献しているのだけれど……。
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