Sun Set Days
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| 2002年09月08日(日) |
『オースティンパワーズ ゴールドメンバー』+民話 |
『オースティンパワーズ ゴールドメンバー』を観た。 結構笑ったけれど、ネタが多い分、苦手な感じのネタも結構あった。最初が特に笑えるということで、どういうものなのだろう? と思っていたのだけれど、観て納得。あれは確かに笑ってしまう。 わかっている人相手というか、ここはこう笑うところですよというところが多すぎるような気はした。 『MIB2』のときにも思ったことだけれど、劇場で見なくてもいいかもしれない。
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「もしもあなたが、失くした鍵の代わりに新しいのを作らせて、その後で前のを見つけたら、どちらをお使いになりますか。古いほうですか、それとも新しいほうですか」
という文章が『フランス民話集』(岩波文庫)の中にあって、話の中では答えは古いほうなのだけれど、読んでいてなるほどなあとは思った。民話や童話は穏やかな語り口に反して実は残酷だったり、あっさりし過ぎたりしてときどき戸惑ってしまうこともあるけれど、それでもやっぱり好きだ。短いし、ついぱらぱらとめくってしまう。 それは子供の頃に「昔々……」ではじまる物語になれていたからなのかもしれないし、短くてもちゃんと物語になっているところに惹かれているのかもしれない。 いま僕らが知ることができる民話は、伝承というハードルを潜り抜けてきたものであるということも興味深い。残っている話の影に、残っていない様々な話があるのだろうなと思うと、いろいろと想像が膨らむ。 民話を読むときには、同じ話を、たとえば田舎の小さな村の小さな家の暖炉の前で、おばあさんが孫たちに話して聞かせていたことだってあるのだと思って読むと感慨めいたものが増すような気がする。そしてそれが地域によって、語り手によって、同じよくある三姉妹もの(長女と次女がずる賢く、三女が信心深く心優しく、三女だけが父親の出す課題をクリアしていくようなやつ)でも微妙に細部のアイテムや結末が違ったりもするのだ。そういうのが、血となり肉となった物語ということなのかもしれないと、ぼんやりと思う。
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お知らせ
関東は雨のようです。
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