Sun Set Days
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2001年08月12日(日) 網走

 今日の日記は網走のホテルから。
 帰省ついでに家族旅行に同行しているのだ。
 実家では子供のときから毎年夏休みになると旅行に出ていたのだけれど、大学生になってから僕の参加率が一挙に低下していた。大学4年間では一度しか行かなかったし(他の家族は行っていた)、社会人になってからは、休日が合わなかったせいもあってやっぱり一度も参加しなかった(他の家族はやっぱり行っていた)。けれども、今年は社会人になってはじめてお盆に休みがもらえて、家族とも休みがあったから、ぜひにということで参加したのだ。
 行き先は網走。
 午前中のうちに札幌を出て、旭川と北見を経由して網走へ向かう。天都山から雄大な景色を眺めたり(今日は全道的に快晴)、そこでしか売っていないという「流氷ソフト」クリームを食べたりして(ミント味)、海辺に建っているホテルへ到着する。
 ホテルは本当に海の目の前で、オホーツク海の先には知床連山が見えていた。夕方家族と一緒に砂浜にでて、僕は持参していたデジタルカメラで夕暮れの写真をとりまくる。右手の網走の街明かりが少しずつ増えてきて、あっという間にフラッシュをたかないと写真が写せないくらいに暗くなってしまう。夕方が終わって暗くなってしまうと砂浜からは人気がなくなり、デジカメのバッテリーもなくなってしまった。
 ホテルの最上階には定番の展望大浴場があったし、魚介類中心の料理も美味しかった。家族全員で旅行に行くなんてもう二度とないのかもしれないし、まだ旅行は終わっていないけれど、家族との旅行は気兼ねがないし、かつ気楽なところがとてものんびりできる。

 そして、今回の旅行には父親と僕の二人がノートパソコン持参で、そういうのを見ているともう小学生じゃないんだなと思う。家族はいま大浴場に行っていたり、疲れて眠っていたりしている。

 そうそう、砂浜にいてふと思い出したのが吉本ばななの『サンクチュアリ』。この小説は、主人公の大学生(確か智明君)が、春先の砂浜でわんわん泣いている女の人に出会うところからはじまるのだ。二人はその後東京で再会して物語が動きはじめるのだけれど、その小説を読んだときには、その春の海のイメージがやけに鮮烈に残ってしまっていたのだ。
 窓の下の砂浜には、もちろん泣き女はいないはずなのだけれど、イメージの中の砂浜には結構似ているかもしれない。そして、確かに夜の、こんな世界の果てのような砂浜で出会ったら、それは特別な出来事のように思えてしまうものなのだろう。
 
 さてと、もう一度お風呂に行ってこよう。


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