創造と想像のマニア
日記というよりもコラムかも…

2005年06月02日(木) 黄色い本。

村上春樹が黄色い本というか、どの角度から見ても黄色な装丁の本を出したからなのか、山田悠介の新刊も表紙の色やカバーの素材は違うけれど、それ以外の黄色な作り方は全く同じだったのが「二番煎じね」な感じでイメージがあまりよろしくない。山田悠介が悪いわけではないと思うのですが、ちょっとね。いただけないっすよ。売れている作家さんだからというわけではなく、書店員として読んでおいた方がいいかな…と思っていた作家さんの1人でしたが、これで読む気が失せてしまった(笑)
たかが装丁で…って感じですが、でも、装丁ってとても大事な部分だと思うのです。内容が変わるものではないけれど、第一印象って大切なものだから。「象の消滅」が好きだから嫌悪感を抱いてしまったのです。「象の消滅」が発売されたのは今年の3/31で、村上春樹という大御所の作家のベスト版とも呼べる本と同じ大きさ、同じ黄色(色もそうですが、黄色が使われている頁の端というか、先端)の本が2ヶ月しか経っていないのに出版される。ちょっとそれはいただけないなぁ。しかも出版社も別。まぁ、別だから同じようなのを作ったんだろうけどね。
できるなら、新潮社でベスト版シリーズとしてあの装丁(色は別にするといいかも)で、あの素材で作って欲しいです。って前にも書いたな(笑)
通常のハードカバーで本を作ったら高くなってしまう。折角のベストなんだから手を出し易い価格で、さわり心地のいい素材で作ってくれると嬉しいんですよね。それにハードカバーよりも軽いしね。持ち歩くのにもいいんじゃないの? って、文庫派の人には重いんだけれども。
これ文庫になってくれると嬉しいのですが、何となく文庫にならないような気もします。あ、いや、村上春樹だったらするか。2冊に分けて(爆笑)
分けたら意味ねぇよ…
でも、春樹は分冊大好き人間のようですから。「アンダーグラウンド」だけは分冊にしなかったけれど、それは分冊にしても売れないのわかってたからなんじゃぁ…なんて考えてしまう。

たかがテキスト。でも「たかが」ではないんですよね。本好き全員がそうではないですが、私は装丁も楽しみたいし、書体も文字の大きさも気になる(笑) 全てが1つの作品だという概念を持っているから。
ハードカバーで一番好きな装丁は何だろう。1つの作品だけではないのですが、幾つか。
「革命シリーズ」 五條瑛
「百年の孤独」 ガルシア・マルケス
「ハリー・ポッター」 J.K.ローリング
ダントツなのはこの作品たちかな。「革命シリーズ」は何ともシンプルですが、背表紙が繋がっているのがいいんですよ。それに、白に文字だけ…というシンプルさも大好きです。やるじゃねぇか…双葉社(笑)
「百年の孤独」はもう完全にジャケ買いに近いです。勿論文頭とあらすじを読んで「買おう」と思ったわけですが、あの表紙じゃなかったら、手に取る事すらしなかったと思うので。
そういうのがあるから、どれだけ優れた作品でも、目を引く装丁やタイトル名って大切なんだな…と思います。
だからこそ、疎かな二番煎じはして欲しくないんですよねぇ。


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未森

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