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2003年07月13日(日) |
Factory06(樺地・跡部) |
向こうの角まで。もう一本先まで。ずっと一緒に歩きたい。そういう気持ちになる時もあるのに。 もういい、かえせよ 跡部さんの伸ばした手に、背中の荷物を渡す。触れあった手ごと抓りあげるようにして、力をこめられ、でも何もしていないかのように跡部さんは平然としている。 時々、意地が悪い。気まぐれで、いきなり勝手な事を言う。苛立ちをぶつけられる。力をふるう。どこへでも連れて行こうとする。 たった1年生まれたのが違うだけで、先輩というのはこういうものなのかなと思ったりするけれど。 嫌なら嫌と言えばいいと、手を振り払って逃げ出せばいいと、跡部さんは言う。 そうして欲しいみたいに言うので、そうしないでおく事に決めたのだ。 なんとか言えって、樺地 片方だけ唇をゆがめるようにして言う。 その声は涼しい風みたいに吹き付けてくるので、いつまでも黙り続ける。黙っていれば、また風が起こるだろう。 その風を待ってみる。
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