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■PSOプレイ日記■
樋川春樹

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2004年06月08日(火)
書いてました。

 昨日公開の『とっておきスイーツ。』、うまく続きが回らなかったので削ってしまったシーンから抜粋した文章を載せておきます。
 このまま葬り去るには忍びなくて…貧乏根性ですね…。

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「まったく…一体どういう思考経路を辿ればあんなワケのわからん調理法が出て来るんだ!?」
 HyuGaが吐き捨てるように言った。店主の聴覚センサーには届かないようにと声を若干落としている。
「で、でも、今日は結構マトモなお料理だったよね」
「まぁ…最初の頃に比べればなぁ…」
「アイツもあれでそれなりに学習しているのか?」
 言い合って、しばし回想する。これまでにKUROGANEが食べさせてくれた新レシピの数々。その味と見た目。
 ………三人ともものも言わずにカウンターに突っ伏した。
 時の経過は全てを美化しつらい思い出も笑い話に変えるものだとよく言うがこれだけはどれだけ時間が流れようとも最後の息を引き取るその瞬間までも懐かしく思い出したりは決してしたくない。
「思い出しちゃった、オムわらびもち」
「RyuKaちゃん、よりによってそれをー!」
「アレか…あの、オムレツ型のたまごの上にきなこと黒蜜がかかってて」
「たまごを割ると中から熱々のわらびもちの群れがわわわっと」
「何か…何かどこかを大幅に間違ってるんだよな、アレ」
「どこがどう違うとかはっきり言えないんだけどね…」
「あー。オレも思い出した。まぐろシェイク」
「バニラシェイクに大トロのペーストを混入させたアレか…!」
「で、でも、見た目はいちごのスムージーみたいでなかなか…」
「見た目というか、色はな」
「それも刺身醤油とわさびを入れられて台無しになったワケで」
「思い出したくもない…悪夢のような体験だった…」
 ひどく遠い目でうつろに呟くCAGEとHyuGa。
「な、中にはちゃんとおいしいものもあったじゃない?」
「例えば?」
 HyuGaは暗いまなざしで妹を見返した。
「たとえば…えっと…ああ、あれ! 大判焼きクレープ!」
「ああ…あれかぁ…」
 なるほどそうだよなと納得したとは言い難い口調で応じてから、CAGEは記憶の棚を探る。大判焼きクレープ…つぶあんのたっぷり入った大判焼きを、クレープ生地で包んでどっさりの生クリームとフルーツをあしらった一品だ。KUROGANEが編み出す無数のレシピの中では奇跡と呼べるくらいに正統派なスイーツだった。本当に珍しく何一つおかしな要素が混じっていない貴重な新メニューだった。
「だが…あれだけ、だな…」
「なっ…納豆ホットケーキも無理すれば食べられない味じゃ…」
「いいんだ! もういいんだRyuKa! あんな奴をそこまでかばってやることはない!」
 がっしと妹の肩を両手で掴み、いつになく深刻な口調でHyuGaが言い切る。

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