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2001年07月14日(土) ■ |
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出会い−『薄明』(SS風味) |
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独りで戦うのにも飽きて、船に戻った。
もう朝が近い。
それでもロビーに出入りするハンターズの姿は途切れることがない。
なんとなく、手持ちのギルドカードでサーチをかける。こんな時間なのに、幾人かはまだラグオルのどこかで戦っているようだ。
壁にもたれ、しばしぼんやりとたたずむ。
さすがにくたびれている。疲労が澱のように身体の底に蓄積していた。
そろそろ眠りに戻ろうか…。
ゆるゆると壁から背中を離したとき、またロビーに入って来た者がいる。
一人のFOnewearl。涼しげな白。
疲れた表情をしている。どのくらいの戦闘をくぐり抜けてきたのか。彼女は何も言わぬままうつろな足どりでこちらへやって来て、何故だか私のすぐそばの壁にもたれかかった。
そのまま二人、ぼんやりとロビーの風景を眺め続ける。
物憂く気だるい時間が流れる。無為、なのに手放せない、微妙な空気。
すぐそばにいる白のFOnewearlが気にかかる。声をかけてみたいが、一目見た段階で彼女が自分とは比較にならないくらい手練のハンターだと知れていた。歴戦の勇者…やはり遠慮が先に立って、目を合わせることさえ出来ない。
またロビーに入って来た者がいる。
緑色のRAcast。
静まり返った空間に、だしぬけに彼の明るい声が響いた。
「こんにちは>みんな」
翻訳機能を通した奇妙な挨拶に、思わず反応してしまう。
白いFOnewearlも明らかに興味を示したらしく、壁から背を離してRAcastに注目した。
誰かの返事を待っているのだろうRAcastに向けて、使い慣れない<ワードセレクト>を用いて挨拶を返す。RAcastが歩み寄ってきた。すぐそばまで来た彼に、
「こんちわ」
不意にFOnewearlが呼びかけた。機械を通さぬ持ち前の声で。
RAcastの次の言葉を待つ私達に、けれども彼はまったく突拍子もない質問をぶつけてきた。
「今、暇?」
まではわかるとして。
「年いくつ?」
とは一体? そんなことはこれまで誰からも訊かれたことがない。
思わず苦笑しかけた私の隣で、FOnewearlがあからさまに不機嫌そうに表情を歪めた。
「なんだ、ナンパか」
言葉の意味はわからなかったはずだが、彼女の表情から嫌悪感は読み取れたようだ。RAcastはごまかすようにいくつか異国の言葉を並べると、逃げるようにロビーを出て行った。
あれだけのやりとりでナンパと決めつけるのは早計ではないかと思ったが…行ってしまったものは仕方がない。
「…あーあ。朝かぁ」
彼女が悪びれもせずに言う。
「朝ですね」
ごく自然に応じていた。
「今の、外国の人?」
「ワードセレクト、使いにくいですね」
「ほんとに」
私と彼女とはどちらからともなく顔を見合わせ。ふっと笑みがこぼれる。
不意に思いついたように、彼女が背を向けて何やらごそごそやり始めた。
何となく見守る私の耳に。
「一緒に冒険に行く?>HARUKI」
たった今使いにくいと言ったばかりの翻訳機能を通して呼びかけて。FOnewearlは照れくさそうに振り向いた。
「いいですね…行きましょうか」
笑顔で応じる。この星の海では奇妙な『出会い』もあるものだ。
夜明けは近い…けれど、朝までにはまだ時間がある。
もう少しだけ戦いに行こうか。
目指す人に追いつくためにも。
…というわけで。
今回のオンはこんななりゆきで出会ったHIKARUさんとVH遺跡に突入の巻。
上の文章では何となくHARUKIの方がえらそうですが、HIKARUさんLV114です(吐血)。まさかこんな強そうな方に声をかけてもらえるとは思ってなかったよー(がたがた)。ナンパレイキャストさんに感謝ですな!
『英語』という名の部屋をつくっていただき(笑)、
「それじゃあどこ行く?」
「森…かなぁ〜? まだ弱いモンで…」
「じゃあ遺跡で魔法当てて、経験値稼ぐ?」
「え! いいんですか?!」
「いいよー、行こう」
VH遺跡2回目チャレンジ決定。あわわ。
こないだは4人でしたが今回は2人…大丈夫だろうか、瞬殺されたら大笑い…と思いきや。
いやもうHIKARUさん強い強い! 与えるダメージが700。800。1345?! なんか彼女のまわりだけファイナルファンタジーになってますけど!!(愕然)
HARUKIは初心に返りラゾンデ一発放った後は出入り口付近で逃げ隠れという完全に他力本願経験値稼ぎモード。時々クロウがふよふよと漂って来たりして肝を冷やしますが、HIKARUさんきっちり見てるのね。こっちが攻撃される前に銃殺されるモンスター。
す、すげぇ〜! カッコいい〜!!(感動)
HIKARUさんが男性キャラだったらキリークさん危なかったね!(何が)
VHデルセイバーに包囲され悪魔のような速さで斬りかかられているというのにまったく危なげもないHIKARUさん。それどころかその状態から「もう当てた〜?」と声をかけてくる貴女は何。
ショートカットの台詞も秀逸でしたね…最初は、
「あっ、やったな! 父さんにも殴られたことないのに!」
みたいな感じで、あぁ、こういうキャラなのね〜…とぼんやり思っていたら。
1回目のPB発動時。
「歴史が違うんだよ!」
2回目のPB発動時。
「泣け! 叫べ! そして死ね!!」
ひいいい(がたがた)。
どういうキャラ?!
しかしまぁVH遺跡、出るアイテムの全てがHARUKIにとっては珍しく高価そうなものばかり。DBの剣なんかただのセイバー並にごろごろ出てくるのね…!
エリア1、2と突き進み、LVもアップ、朝も近い。
5時で解散と相成りました。HIKARUさんは「ラスボスまで通す?」と訊いてくださったのですが、臆病風に吹かれたHARUKIはお断り申し上げた次第でして…!(滝汗)
街に戻って、別れ際に「これあげる」と。
50万メセタ。あわー!! いただいていいんスかー!!
うぅ、どうしてこうPSO2の高LV者にはいい人が多いんだ(感涙)。おかげで一時期かなり減っていた貯金が元通りに。
「またねー」
「またよろしくですー!」
とお別れの後は…一人部屋に居残り、モンスターが殲滅された遺跡に潜っては取り損ねたアイテムを回収、ひたすら売りさばくあまり人には見せたくないHARUKIの姿が。
おかげで貯金も90万メセタに迫る勢い! 倉庫には万一のときの備えにと高価なアイテムたくさん溜めたし、いやぁやっぱりオンは素晴らしいー!!
さぁて後はソウルイーターソウルイーター…入手前からあの鎌に魂を喰われてます私。20日にじばしんでイベントなんですがSS書いて持って行こうかしら。
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