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2004年08月14日(土) 引算の服装〜再考

この時期色々な人を職業柄見る事が多い。

結構多く見るのが引き算のお洒落を勘違いしている人。

雑誌などで取り沙汰される「UNIQLO」然り「GAP」然り「ZARA」然りだが

全てのコーディネートをそれだけで組み合わせる事は無くても

一目みて良い物、良いカットとわかる物を身に付けて居れば

後のどれかを単純引き算でチープな物に納めてしまう事が有る。

これは間違いの無い引き算のお洒落の定番だが

少し勘違いをするとこうなる。

これは俺の職場での出来事でとある一元客のもの

例)バッグはエルメス/フールトゥ、時計はカルティエ/タンクフランセーズ、デニムはリーバイス、Tシャツはユニクロ、ベルトはノーブランド。

この人が欲しがった物は SALEにしていた1000円のデニムのスカート。

1000円のスカートを購入決定まで時間をかけ、良く考えたこの人が清算時にこう聞いてきた。

「マッキントッシュのコートは扱いますか? 欲しいんですよね。 取れますか?」

「以前は扱っていましたけど今はお取扱して無いんですよ。 すみません」

と俺。

普通に文字で見ても聞いても何もおかしいところは無い。

日本人に特に多いこの類いは、ファーストブランド(所謂一流品)を持つ事で満足を得る。

センスはどこへやら。

欲しがる物は頭デッカチな本から切り取ったような情報が全て。

有名なスタイリスト達も引き算のお洒落をする事が多々有る。

では何が違うのか?

物を見ている目が違う。

会社で判断せずに物を見る。

つまり良い物を嗅ぎ分ける、見る、審美眼。

言葉で伝えづらいこの感度は

例えば食事で色々な物を食べた後に美味しい物、まずい物を知るのと一緒で

色んな物を試して見てこそ解り得る、目に見えぬ「物の存在感・価値観」を

知る事が引き算のお洒落に繋がる。

どれかひとつ一流ブランドを〜の発想に間違いは無いのだが

例えばシルエットを隠しづらいシャツを高価に入手して見たり

ベルトを高価に入手してみたり

決してバッグや時計を高価にするから服装全体がレベルアップされるわけでは無いと言う点だ。

お洒落を楽しむ際に色んな物を着て見るといい。

勿論、いい物も着て見なければ、やすい物の中に割安な存在感を見出す事は難しい。

100を知ってこそ、10が手に取るようにわかる、つまり余裕の発想が出来る。

しかし10までしか知らないと100は想像でしか嗅ぎ分けられない。

多用化している個々のお洒落をより楽しむために

いざ再考。






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