speak like a...child

 

 

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アッペ - 2003年04月07日(月)

大学で同期だった連中はたいがいM2になってて、
今まさに就職活動の真っ最中といったところだ。
すでに内定が取れて落ち着いたヤツもいるし、
少し連敗が続いて焦り始めてきたヤツもいる。

夕方に公衆電話から着信があった。友人だった。

「ゴメン、ちょっと頼みたいことがあるんだけど。」

学校のサーバにあるPDFファイルをプリントアウトして持ってきてくれ、
それが彼の依頼だった。本人はと言うと、こともあろうにこの大変な
時期に虫垂炎、つまり盲腸で入院したのだそうだ。就職試験は土曜日。
それまでに書類をまとめなければいけない。彼が書いたものを学校に
通して、教授に推薦状を書いてもらって、その他の書類を揃えて送る。
要するに学校と病院の橋渡しを頼まれたわけだ。彼の機密事項に
関するアカウントとパスワードも全部預かった。正直、僕の些細な
ミスが彼の将来を左右し得ると考えるとキーを打つ手が震えてくる。
責任というやつは重い。信頼という名が付くとさらに割増しだ。

肝心の彼の容態の方は、切らなくても薬で散らすことができるようで、
金曜には退院できるそうだ。とは言っても、今日まで3日間絶食で、
明日の昼から三分だか五分だかの粥が摂れるらしい。そんな状態で
退院した翌日に東京まで出向いて試験を受けなければならないとは。

高校のときも先輩がセンター試験の一週間前に同じく虫垂炎になった。
これはさすがにやばかったらしく、手術をして、センター試験は本試の
一週間後にある追試で受験した。センターの追試は下手な二次試験より
面倒な問題ばかりで平均点が確実に100点ほど下がると言われている。
その年、医学部志望だった先輩はあえなく撃沈した。


人生にいたずらをするのは誰だろう。
ほんのちょっと歯車を狂わすだけで、
10年後に立つ場所ががらりと変わってくるように思う。

キミは負けるな。



BGM : 『JAZZ』 / QUEEN

“JAZZ”と言ってもビル・エヴァンスとかマイルス・デイビスの“ジャズ”ではなくて、
この場合の訳語は“戯言(たわごと)”、これが最もしっくりくる。僕も好んで使う。



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