『スウィート・バイエル』 モクジ | 今ヨリ、カコへ | 今ヨリ、ミライヘ
いつぞやの「深い深い夜」の日記。 私がご主人様に話したことのひとつをここに。 -- 前置き -- 私はこのところもう何年もずーっと 「他の男と寝てるでしょ?」「遊んでるクセに」というようなことを人から言われ続けてきた。 特に男性。身体の関係があった人ない人、そしてパートナーであった人からもそういわれ続けた。 男友達とは何回か飲んだ後に、私の考えや話し方から 「絶対に沢山の男と付き合ってきたはずだ(笑) 絶対に慣れている」 と言われた(苦笑) 男友達とかなり似ている部分があったらしい。 実際、sexをするようになってからも、「どれぐらいsexをしてない?」「この前はいつsexをした?」などと言われ、 「どう答えたもんかなぁ〜。他の男としてたと思わせた方が良いのか、あなただけよと言って欲しいのか」 と、挿入や愛撫を受けながら真剣に悩んでしまったり(苦笑) 「ほかの男と寝ていて当たり前、そうじゃなきゃこっちが困る。それに『あなただけ』みたいな女はうっとうしい」みたいなことをメールで告げてくれた男性もいた。 ありがとうね。その瞬間、世間の自分の価値が凄く分かったわ(笑) ……きっと、あなたは自分の愛する女性にそうは言わないはずだもん。 PCafeコラム連載中、 ありがちだけど(苦笑)、コイツとsexできると思われてメールを頂いたことあり。 まぁ、お仕事だからそう思われて当然なんだけど(苦笑) 思われてナンボの部分あるけどね。 ちょっと酷いな、と思うのは。 「ファンです!」とメールをくれたり、掲示板で仲良くなってメールをくれたりして、 何回かやりとりしたあと、デートに誘われ……お茶デートに出かけるのだが、私と会ってもさほどそんなに嬉しそうじゃない。 まぁねぇ、私は綺麗でも可愛くもないし、ナイスバディでもない。 そこそこ会話は面白いかもしれないけど。 で、話をしているうちに、 「とりあえずここに、エロいこと書いたり言ったりしてる女がいるし。ヤッておくか」 という感じで、「誘いモード」に入ってしまった。 タメイキ。 そんな誘われ方をして、誰がついていくんでしょう〜。 目の前に居る「麻瑚」を気に入って、一生懸命口説いてくれるならまだしも、 「女が居るから、そこにアナがあるからやっとく」みたいなのってねぇ〜(苦笑) そういう男性の話っぷりって、妙に「自信家」なんですよね(笑) 別に私は「年上女にモテるボク」も「チンチンでかい人」も「風俗嬢に『イイ!』と言わせるテクニック持ち」も、興味ないです。 私を、麻瑚を気に入って抱いてくれる人が私は良いんです。 ……って、美しくもない私には、そんなこという価値ないかもしれないけどね。 「恋愛対象ではない」というようなこともよく言われてた。 一緒にいて楽しいけど、面白いけど、遊びにもデートにも飲みにもご飯にも誘いたいけど、自分の女としてみられない、そいうい感じ。 「もっと前に出会ってたら結婚してたかも。絶対(性格などの)相性はイイと思うし、一緒に生活していて楽しいし気楽だと思うんだよ、でも……」 も、何回かいわれた(笑) 「でも……」がくわせもので、実際に若い頃に出会っててもそういう人は私に見向きもしないこと、私はわかってる。 私とは逆の性格、美貌の人が本当は好きなんだよね。 女という対象より、エロ話も気軽に出来て一緒にいて楽しい友達ってくくりになってしまうのでしょう。 そんな時「あああ〜、日本が一夫多妻制だったら、私はかなりモテたかも」って思ったりして(笑) そして、そいうことを気軽に言っても、「私(麻瑚)は傷つかない」と思われているみたい。 結構「それ、自分の愛する女には言わないでしょ」というような言葉も言われたりとかね。 本当は違うんだけどな〜。 確かにそういわれても、心に傷はあまり付かない。 所詮、私は世間からみたら「その程度の女なのだ」ということを、見せつけられてるだけなのだと、自分で自分を防御しているだけなのだけれど。 ご主人様は少し違っていた。 私がご主人様を好きな理由のひとつに「私は基本的に『ほかの男と寝ている』という扱いをしない」ということだった。 そういうことをヒトコトも言われたことがなかったのだった。 -- 深い深い夜。のこと -- 話がしんみりとしてきた、バーのテーブルにて。 私なりに世間の夢を壊さぬよう頑張ってやってきたけど、この日この瞬間ぐらい、それを解いてもいいかな。それを解いて、ご主人様にお礼が言いたい。 そう思い、私がぽつりと言った 「ご主人様って、私に『他の男と寝てるだろ』って言いませんよね?」 でも、私が次の言葉を言う前に返ってきた言葉は、少し意外だった。 「そこまで束縛する関係じゃないだろ?」 がっくりきてしまった。 ああ、ご主人様もそう思ってたのか、そしてそんなものだったのか……と。 ご主人様が続ける。 「もちろん自分の彼女だったらそんなこと絶対許さない。でもそこまでの関係じゃないから、せめて他の男の話は私の前でするな!と言ったし……」 私が伝えたかったことと、違う方向に話が流れてしまったなぁ〜 とぼんやりと、そして 今ここで言わなかったら、もう二度とこの話はしないだろうと考えた。 思い切ってご主人様の話に口を挟んだ。 「私ね、それが嬉しかったんです」 ご主人様の言葉が止まる。 「だって今までの人って、身体の関係もある人もないひとも、みんな私にそう言い続けたから。 あ〜って思っても、ほら、人の夢って壊しちゃいけないじゃないですか。 それにこういうこと(エロ文やコラム)書いてるわけだし。だからね……」 前置き書いたようなことを、ポツポツと話す。 ご主人様は「周りの男に恵まれてないな」「良さを分かってないな」とか言いながら、話を聞いてくれている。 ひととおり話し終わると、私は「だから、そういわれないことがすごく嬉しかったの」と告げてニコッと笑った。 それが精一杯。それ以上喋ると泣くと思ったから。 その時、ご主人様は私に手を伸ばして頬を撫でた。 そしてひとこと。 このときの言葉はすごくありふれた言葉。 なんでここでその言葉なのか、その場で私はよく分からなかった。 ご主人様はことあるごとに微笑みながらその言葉を言って、私の頬や頭を撫でた。 言われた言葉の真意が分からなかったのと、 人に頬を撫でられた事なんて今までほとんどなかったのと、 今まで見たことのない、静かに優しく微笑むご主人様の表情に 私は混乱して、ただ「泣かないよう努力すること」しかあの夜は出来なかった。 それから1週間後。 実は、その時のご主人様の言葉は、 ご主人様なりの「私への最上級の賛辞」だったことにふと気付いた。 以前、メールで冗談まじえつつ「なんでご主人様は○○って言ってくれないのさ(笑)」 「たとえ麻瑚が○○だったとしても、それは絶対に言わない!(笑)」と会話したことを思い出したのだ。 きっと他の人なんてさんざん言われてる言葉だろうけど、私は男性から一度も言われたことない、ありきたりな言葉だけど。 その時、本当にいろいろな「深いこと」を会話しあったので、 今後、ご主人様との関係がどうなるか全く私は予測できなかった。 50%の確率で「なにもなかったように、今まで通り」 49%の確率で「今まで通りだが、何かあったらとたんに破綻する」 1%の確率で「もしかしたら、もっと良い方向に向かうかもしれない」 私の中では、そんな感じだった。 そして第二回目の飲みデートが、1/4に行われたのであった。 ご主人様と飲むことは嬉しいけど、前回の事があるので少し怖い(苦笑) 今回は「深いこと」は一切言わないようにしようと、 ホテルから食事する街へ移動中に、心に強く誓った私だったのでした。 (続く) 《 2004.01.11 16:55 記》 --***--
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