『スウィート・バイエル』 モクジ | 今ヨリ、カコへ | 今ヨリ、ミライヘ
本当はこの週末に「前回の逢瀬記録」を付けようと思ったんだけど、 心身共にそういうテンションじゃなくなってしまったので、次の週末に延期。 違うことを書きましょ。 私が調教を受けるに当たって、常に悩んでいるのが 「奴隷、M女としての駆け引き」がまだ良く解らない(涙)ということ。 基本的には恥ずかしがりであるので、「ずっと恥ずかしがってろ」と言われればいつまでもウジウジやってられる。 だけども、そこまでやっては、つまらない。 かといって「脚開け」といわれて「ほい、きたっ!」とばかりに笑顔で大開脚しても、 これまたつまらないものである(笑) いつまで「恥ずかしい自分」でいて、いつから「理性を捨ててエロ全開」にしたらよいか、その見極めが難しい。 そしてそのタイミングが「今日のご主人様のテンション」とも合ってないと、ダメだということもある。 前回の逢瀬で、 ご主人様の準備が出来るまで、脚を開いてそのままで待っていろと命令された。 だけど妙にその日は恥ずかしくて、私は脚を閉じてしまった。 と、それに途中で気づいたご主人様が、「麻瑚、脚開け」と。 「えっ……」と言いながらも、私はますます恥ずかしくて……というか、 恥ずかしさの引っ込みがつかなくなってしまった。 どうしよう。なんか今から脚開くのも。でも開かないと。ああ、どうしよう…… 何回か「脚開け」と言われたのにウジウジと悩んでいたら、視界に入ったご主人様の姿は、脱いだジーンズを再びはいていた。 「えっ!?」と思わず言ってしまった私。 「麻瑚が、言われたとおりに脚ひらかないからだろ」 私が仕方なさそうに、おずおずと脚を開くと、ご主人様は戻ってきてくれた。 準備を終えると、のしかかり、挿入。 と、そこで「なんで、言うことをきけない?」と一言。 やばい……怒ってる〜。 「……はずかしいか……」 と言いかけた私の言葉を遮るように「我慢しろ!」とぴしゃり。 「……はい」 「いいな、恥ずかしくても我慢しろ」 「はい、ごめんなさい」 「わかったな!」……二度と同じことは言わないぞ!という口調だ。 「ごめんなさいっ」 なんで今日はこれっぽっちのことでこんなに怒られるのぉ〜と思いつつも、私は半泣きで必死に謝った。 が、しかし、気持ちは複雑なもので、怒られて嬉しい部分もあるのだ。 普段の私は「褒められて伸びるタイプの子(笑)」なので、怒られるのはすごーく苦手。 だがご主人様には、ビクビクしながらも、どこかで「怒られたい」というワクワクとした願望もある。困った。 多分、怒られることによって「私は見捨てられていない、気にしてもらっている」と感じる部分があるのかもしれない。 わざといたずらをして気を引く子供のように、ご主人様の気を引きたいのかもしれない。 その後、ご主人様は「怒りの、厳しいモード」に入られ。 うつぶせになっている私の髪をつかんで顔を上げさせたり、 快感が強すぎて苦しくて「やめて下さい」とお願いする私に、 「お仕置きだ。今日は絶対にやめないからな」と言い 「いやっ、やめてっ!」と私が叫ぶ中、強引に後ろから激しく犯し続けたりなど……。 といってもご主人様はまだ私に「厳しい調教」はほとんど施してないので、手加減されているのはわかるのだけれど。 言葉と身体でさんざん怒られてしまった。 その結果は……あとで書くとして(笑) 結局その日は、 ご主人様は「恥ずかしがる私の脚を、笑いながらこじ開けて犯す」というプレイをお好みではなく、「従順な私」がお好みだったわけである。 そういう見極めとか、難しい。恥じらいの引き際も難しい。 後日、メールで「この前はごめんなさい。でも私、恥ずかしさの引き際とか、そういうのがまだよく分からなくて……」と書いたら、 「そういうことも、私が教えていくのだろうな(笑)」とお返事が来た。 -----*----- 私は普段、甘えることとか凄く苦手。というか、甘え方がわからない。 パートナーである男性を、自分から「会いたい」と誘うことが出来ない。 現にそういう風に話を持って行っても、私の記憶が確かならば、実現したということがほとんどないのだ(苦笑) でもご主人様は違っていて、私が「今度ご主人様と、また飲みたいです〜」と漠然としたことをメールに書いても、 何も言わず、ある程度時間がたとうとも、ちゃんとそういう機会を作ってくれる。 それが嬉しかったし、私が言う愚痴を聞いて下さったり、私の状況を見守って下さっているのが、凄く嬉しく心強かった。 だけど、ここのところの私は、甘えすぎであった。 私の、ご主人様宛のメールは、全く「テンションの統一」が図れていない。 嬉しいときは弾けたまま、悲しいときは落ち込んだまま、 楽しときははしゃいだまま、怒っているときは心が荒んだ状態のまま、 メールを書いていた。 それは、主従関係に於いて、凄く失礼なことである(苦笑) それをある日お詫びしたら 「別に構わないよ。それはそれで、次の調教のネタにもなるし。 部下の不満を、上司はきいてやらなければいけないとも思うしね(笑)」と。 それを鵜呑みにして、自分を甘やかしていた。 甘えは、どんどん増長する。現状では満足できなくなって「もっと」と上を望んでしまう。 そしてその望みが叶えられなかったり、うえに上ったところでガクンと落とされると、酷いショックをうけることになるのだ。 その前に、そんなわがままな自分になっていくのも、あまり見たくないはずだったのに。 私は自分自身に甘やかされた状態で、何を望んでいたのだろうか? どうしたかったのだろうか? ご主人様に飼われなくなる自分をいつも想定していたはずなのに、それを忘れていたのではないだろうか? 土曜日、深い話をしていて、私は「ご主人様に対する自分の位置や距離」が見えてしまった……様な気がする。 私はその基準値より、少し近くに行きすぎていた。 今までは「私はこういう人間ですし〜」と人としての麻瑚を全面に出し、 「調教してくださ〜い」という態度で居たけれど、それはダメでしょ(苦笑) 私は奴隷なのだ。飼われているペットなのだ。 それが守れなきゃ、躾が出来てない犬と同じ。 もちろんご主人様はそんなことを一言も言ってはいない。 ご主人様は 「周りが『こんな奴隷はおかしい』『躾がなっていない』など、 なんといおうと、私が必要としないことは気にしなくていい。 麻瑚は麻瑚のままでいい。 悪いところはちゃんと叱るので気にするな」 と言ってくれていたのだ。 「この関係は長くは続かない。だからいつでもお別れ出来るように」 と思い一本線を引いていたはずなのに、 いつしか「少しでも長く飼って頂くには」ということを考え始め、 私が勝手に思っただけのこと。 でもそれがご主人様に受け入れられるのか、はたまた方向違いで怒られるのかは、まだ解らない。 -----*----- しかし、「M女」と「奴隷」って、ひとくくりにされることが多いけれど、 それって違うと思う〜。 M女って、その人の趣向とか状態でしょ? 奴隷って、人間の関係でしょ? 私はM女というより「奴隷」という感じでいたいな〜。 だって、本当はすっごく気が強い私。ご主人様以外に「君はMなんだから」というプレイをしかけられたら、横っ面はり倒してチンコ蹴ってタマ踏みつぶしてうずくまる男に罵声を浴びせるぐらい、怒りそうだもん(笑) そんな私は、ご主人様に 「他の人の所に修行にいかせたり、他のSの方とプレイするように命じたり……と言うことは絶対にしないで下さい」とお願いしてる。 私は、SMが好きで、興味を持って、この世界に踏み込んだ訳じゃないのだ。 誰かをとことん信頼し、服従したかったから、そういう世界に憧れたのだ、きっと。 《 2003.11.24 20:00 記》
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