『スウィート・バイエル』
『スウィート・バイエル』

モクジ 今ヨリ、カコへ 今ヨリ、ミライヘ


2003年11月23日(日) 深い深い夜。

 いじけひよ

 
突然決まった、22日(土曜)のご主人様との飲みデート。
前から約束していた
「リアルロマンスに、ネタ1つ提供ありがとう。原稿料が入ったらお礼を……え? 焼肉ですか。はい、いいですよ」というお礼企画を実行することに。
んで、どこに行こう……?
ご主人様が「牛○でいいよ」と。
 
事前に場所は調べておいて。割引券も印刷して。あと、2軒目のお店も調べておく。
近日中に髪を切りにいきたかったので、どうせならと
待ち合わせの2時間前に美容室の予約をいれたが、意外と混んでいて、
結局、待ち合わせに10分遅れる私。
でもまぁ、ご主人様もお気に入りと思われる、人工的「超ストレートヘア」の私になっての登場だから、「怒らないだろうな〜」という確信はあったりして(笑)
(私は根強い「くせっ毛」なので、普段は何もしなくてもウエービーヘアなのだ)
 
牛○へ行き、私の名で予約を入れる。
30分待ちと言われたが、実質1時間待ちであった(苦笑)
待ち時間途中から不機嫌なご主人様。飽きないようにといろんなモノをだして、ゴキゲンとったりと、まるでむずがる子をあやしつけるお母さんのような私(笑)
まぁとにかく、男性店員さんはン〜だったけど、女性店員さんの応対が可愛かったので
「ね、ねっ、ご主人様。○○ちゃんの応対かわいいでしょ? ○×ちゃんの応対イイ感じでしょ? 許して上げましょうよ」と言う私。けなげである(笑)
 
で、まぁ……結果として。
二人とも牛○が二回目だったということで、「あれ? こんなんだったっけ?」「こんなもんだよ」という結果に(笑)
私は術後からどーも「牛肉が沢山食べられない身体」になってしまったのだ。
うーん。次に行く機会があったらこのクラスの味はもういいので、もう少し上のランクのが食べたいな〜と思いました。まる。
でも、「ぼんちり」は美味しかった! 
牛○での面白い話もあるんだけど、それはコラムの編集後記用にとっときます(笑)
 
 
2軒目のお店へ。
以前、ご主人様と、
「静かに話して飲める場所、できればバーをこの地で見つけておこう」
と話していたので……ネットで予め検索しておく。
ということで、私がネットでみつけたバーである。
少し迷ったけれど、入ったらとても良い感じ。
「こういうお店に行きたかったのよのね〜」と、麻瑚ほほえみ♪
だが、場所柄か、客層が面白い(笑)
カウンターでマスターと話をする一人の女性。
酔って色々喋る女性(悩み相談っぽいが口説いてる感じも)と、それより少し若そうな男性。
男性の一人客。
そして、「スナック化」してる、おじちゃん達6人ぐらい? でも常連さんらしく、楽しそうに飲んで騒いでた(笑)
追加で、女性単独客。そして、お店の女の子とお店のお客と思われるカップル。
 
ご主人様と「女性一人でも来られそうなバーだよね」と話す。
ということで、勝手に「これから私のいきつけと呼ばれるであろう店」に決定(笑)
 
おじちゃん達が帰ると、店は静か。……いや、カップルの女性の声がにぎやかか(笑)
 
そんな中、ご主人様と私もぽつぽつといろんな話を始める。
最初は大人しくも陽気に
「ねー、ねー、『ご主人様』って最初はどうやってなるものなの? どうやって育っていくモノなの?」とか、
「麻瑚のスリーサイズって?」
とか、そんな話からだった。
 
ある話題をきっかけに、話がゆっくりと、静かに深くなっていく。
ご主人様のこと。
ふとそこで、私はこれ以上立ち入れない何かを感じてしまった。
そして私のこと。
今回の騒動、今まで2〜3人にしか話したことのない話、私の傷。
きっと誰も知らない、私の奥底に眠る思いと考え。それは、私自身もそれに気づきつつも、きちんとした言葉にしたことはなかったもの。
 
言葉は一度口をついてでると、自分がそこから逃れられなくなるものなのだ。
結局私は、一晩中その言葉に捕らわれてしまったけれど……
 
私が淡々と話す最中、ご主人様は私に手を伸ばした。
店だというのに人がいるというのに、ご主人様は構うことなく、私の頬を撫でた。
それから店を出るまで、ご主人様は私に手を伸ばし、微笑みながら何度も何度も頬を撫でくれた。
 

温かい手、優しい手。
嬉しい。でも一度解き放ってしまった暗い感情は、ご主人様の優しさすらも素直に受け入れられないほど、深海へと私を引きずり込んでいる。
優しさ、虚偽、暖かさ、冷酷、欺瞞、信頼、裏切り……
相反する感情が入り交じる。
私は泣きそうになるのを堪えて、一生懸命にっこりと笑った。そんな私を見て、ご主人様は微笑んで私の髪を撫でた。
 
その深い夜にわかったのは。
通常は社会的になんら問題のない行動をとっている二人だけれど
男女間の感情や、人間の関係に於いて、
ご主人様はゆがみを、私はひずみを抱えているということだろうか。
 
店を出て、何事もなかったように普通に歩く。
ご主人様が「こっち」と。
行きに通った、よくわかんない暗い路地(笑)「ココの道、お気に入りなんですね(笑)」という私。
少し歩くと、「ああ、そうだ、ここ(笑)」
そう、そこは、二軒目の店にたどり着く前に、明るい気持ちでちょっとキスをした場所だった。
「ええ〜、またそこぉ〜、人ンち(の敷地)だし〜!」
「いーからっ!」 
ご主人様が笑って私を手招きする。んもぉ、しょーがないなぁという感じで傍へ。
キスをする。さっきと全く違った感情でのキスに、私の反応は鈍かったかもしれない。
ご主人様は唇を離すと、胸に私を抱き、ゆっくりと頭を撫でながら、呪文のようにある言葉を言った。バーでも、そっと言われた言葉だった。
私はそのまま、頭を横に振る。
私が否定の意味を込めたひとことを言うと、ご主人様はまた私の頭を撫でて同じ言葉を繰り返した。
もう一度キスをすると何気なく静かに歩き出した。
と、ご主人様が私の肩に手を回し、ぐっと引き寄せた。そのまま短く暗い路地を歩いた。
 
駅では明るく、いつも通りに別れた。
ご主人様は「次は○○日頃に声をかけられると思うから」というけれど、私はいつものごとく「へへ〜ん、さあ、どーかな? ご主人様、その頃はすごーく忙しいんじゃないの」と、相変わらずのへらず口をたたき、「じゃっ」と向きを変えたところで、
「あ!」
と呼ばれる。
「ん?」と振り向くと、
「ちゃんと(家に)着いたら、メールするように!」
いつも別れるときの、最後の言葉だった。
 
私はニコッと笑うと、「バイバーイ」と手を振って歩き出した。
 
 
お互いの深く暗い部分を知ってしまい、
これから主従関係はどうなっていくのか、わからない。
もっと深くなるのか、もう終わるのか。
私は、「このご主人様に飼われるペット」であることを、これからどう思い、どう対処し、どう進めて続けていくのか。
ご主人様は私をどう扱っていくのか。
……わからない。
 

まぁたぶん、少しの間はこのまんま、
「えっ、この前のことはなんだったのっ!!?」というぐらい、
なーんの変化もないと思うけど(笑)
 
 
 
追伸
帰宅しメールチェックしたら、この約2ヶ月間全く音沙汰のなかった男友達から
突然「久しぶりです!」と、メールが届いていた。
……苦笑。滅多にメールを送ってこなくなった男友達なのに、
こういうタイミングでメールが届くこと、既に二度目だ。
君、こーゆーものごとに鈍いはずなのに……なにか遙かな地で
感じ取っているというのか?(苦笑)
 
 
          《 2003.11.23 16:00 記》


谷藤 麻瑚 MAILスウィート・ハノンHP(改装・再開予定)

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