++ワタシノココロ++
index|コレマデ|コレカラ
「会社の方針にこれ以上ついていけないので辞めさせてもらいます!」 って辞める人、今のこのご時世じゃかなり少ないだろうけど 会社に勤めている間は辞める自由がある。
私には、それがない。
お店がオープンしてもうすぐ2ヶ月。 それなりに、固定客もついてきたし 「ここらにない雰囲気のお店だね」といってもらえるようにもなってきた。
でも。 ここに来て頭を抱えてしまうほどに口と手を出す義両親。特に義母。
「落ち着いた雰囲気の中で、美味しいものを食べながら 家族や友人とじっくり過ごせる場所を」
そう思って、やすくんは料理を作り 私はサービスをしてきた。 手伝いをしてくれてるパートさんにも、そのように教育してきたつもり。 事実、パートさんたちにもだんだんそういう意識が芽生えてきてる。
義母は。 自分の顔なじみのお客さんのところに過剰なサービスをし、 そこで声を上げて笑って話をしてる。何十分も。 その途中で「あら、お酒が足りないんじゃない。何か頼もうか?」 「お腹いっぱいじゃないでしょ?これとこれ(値段の高いの)持ってくるよ」 なんて、どんどん注文をとってくる。
確かに、そういう雰囲気がいいというお店もある。 そういうお客さんもいる。 だけど、今やすくんと私が目指してるお店にはそれは必要ない・・・のに。
「お客さんのところへいって、いやな顔されたことなんて一度もない」 ・・・当たり前でしょ?昔からの知り合いであからさまにいやな顔する人なんていないよ。
「お店のためを思って注文をとってきてやったのに」 ・・・嫌でもああいわれたら何か頼むしかないでしょう?しかもお金はちゃんともらってるんだし。
「昔からの常連さんなんだから、たくさんサービスするのは当然」 ・・・じゃ、その隣に座ってたはじめてきたお客さんの立場はどうなるの?
初めはそんな義母の様子を見てイライラしたやすくんが 注意することもあったんだけど 私が帰省する前に一度爆発して大喧嘩になった。
やすくんは「店はしばらく俺たちに任せてくれ」と もう一度最初に話した経営方針とか、店の雰囲気を説明しようとしたんだけど 義母は 「そんなに私をのけ者にしたいの!!」と 何を言ってもそればかりで話し合いにならなかった。 義父は 「二人に任せてるんだから、お前は黙っていろ」と口では言うけど だからといって、義母を止めることはなく 自分たちがやってる店のあまりものを、私たちの店で売れといってきたりする。
もし私が経営者といえるなら。 店の方針とまったく違うサービスを提供する義両親に「解雇」(という言葉が正しいか)することができる。 でも、経営者じゃないし。 じゃ、労働者といえるなら。 一番最初のように、辞表を提出してやめることができる。 今、本当にそれがしたくてたまらない。
でもさ。
店を実際動かしてるのは、やすくんなわけで。 やすくんをおいて店を出るということは、 つまり「やすくんを見放す」ということにならないかなと思うと それは絶対できない。
前はそんなもやもやした気持ちを やすくんにぶつけてた。 お互いの関係はいいのに、毎日続く口論。 実の親にきつく言うことができずに、悩む姿を見てしまってから これ以上、自分の不満をぶつけられないと思った。
どうしたらいいんだろう。
考えても、答えは見つからない。
|