++ワタシノココロ++
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2003年10月25日(土) |
守ってあげたい。・・・のに |
午前0時。
閉店時間はとっくの昔に過ぎてたけど 残っていたのが 義父の古くからの知人たち、ということもあって 悶々としながら、ひたすら帰るのを待つ。
「ちょっと俺、寝てるから」
やすくんがそういってお客さんからは見えないところにおいてある 小さな机といすに突っ伏した。
・・・いつもだったら、どんなに疲れてもそんなことをしないやすくんなのに
ほんの少し、そんなことを思いつつ 少し前に掃除したばかりのところをまたダスターで拭いたりしていた。
午前0時半。 帰る様子は微塵もなく、むしろ話に花が咲いて前より盛り上がってる。 目に付かないところの照明は全部落として、 暖房も、最低限のところだけつけて 言葉にならない「そろそろ帰ったら?」のサインを送り続ける。
やすくんは。 「寝るから」と言ってからまったく動かず、 突っ伏したまま眠ってしまっている。 「ねえ、後は私やっておくから、布団で寝たら?」 少し身体を揺らしながら、そう言ってみたけど 「ん・・・?うん・・・」と 言葉にならない返事をするだけ。 それ以外はさっきと何も変わらず、深い眠りの中。
午前0時45分。 ようやく、重い腰を上げてお客さんたちが帰っていった。 わずかな食器を洗って、店を閉める。 やすくんは・・・さっきと全然変わってない。 ピクリとも動かず、眠ってしまってる。
・・・すこし、怖くなった。
「もう全部終わったから、寝ようよ」 そう言って半分眠ったままのやすくんを部屋に連れて行く。 急いで布団を敷いて、やすくんを着替えさせて寝させる。
いつもだったら、疲れてるときはいびきをかいたりするはずなのに、 そしていつもだったら、それがうるさくて眠れないとか言っちゃうのに 今日のやすくんは、いびきどころか寝息もほとんど聞こえないくらい 静かに横たわってるだけ。
ほんの少し後。 夢を見てるのか、やすくんが顔をしかめた。 苦しいのか、辛いのか、 声を上げたり、身体を動かしたりはしなかったけど 表情だけが、とにかく 見てるこっちが、悲しくなるような表情。
夢の中だったら、 暴れても、大声を上げてもいいのに ぐっと顔をしかめて、それで耐えてるようなやすくんの姿を見て なんだかちょっと悲しくなった。
疲れちゃったのかな
いろいろありすぎたしね。
私も、ずっと甘えっぱなしだった。
辛かったら辛いって言ってくれたらいい・・・のに。 疲れたらそう言って先に休んでもいい・・・のに。 力になれることが何かあるかもしれない・・・のに。
いろんな「・・・のに」が頭をよぎっては消えていくけど
今の私は
そんなやすくんをただ見守って 頭を撫でて 「大丈夫だよ」って声をかけるしかできないなんて。
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