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2002年10月15日(火) 女の意地。



お皿を一枚割ってしまった。

普段づかいモノだったし昔から使っていた皿だったので

ありゃりゃと思ったけど、

まあ、何でも寿命というモノがあるからなあと

あきらめた。





割れた皿を片づけながら

ここに引っ越してきたときのコトを思い出した。

荷物が届いた数日後、

わざわざ私の母が荷物の片づけに来てくれたときのこと。



やすくんが先輩にもらった巨大な(笑)食器棚に

私が持ってきた器と、やすくんが使っていた器を片づけていた母。

まだ半分も片づいていないとき

急に「茶碗と箸を買いに行こう」と言いだした。

茶碗と箸だったら私もやすくんも持ってたにもかかわらず。



「茶碗と箸はいつも使うモノだからこそ、

 ちょっと良いのを使っていた方がいい」


そういう母の言葉。

98円とか100円の食器コーナーを通り過ぎて

少し高めの茶碗が並ぶ棚の前で止まる。

母が選ぶ茶碗はどれもステキだったけど

その時の私には茶碗のステキさより

値段の方がちらついてしまって、なかなか手が出ない。


結局、棚にある中から私にも手が出る値段のモノを選んだ。





店から家に帰る車の中で

母が運転する私の方を見て聞いてきた。

「彼が持ってきた器って、伊豆にいるとき使ってたの?」

         「そうだよ」

「あんたが選んで買った物?」

         「ううん。もともとやすくんが持ってたやつ」

「・・・・・・・・・・・」
         「なんで?」



ほんの少しの間が空いて母が口を開く。








「あれ、良い物以外は捨てちゃいなさい」    



「あれ、前の彼女がそろえたんじゃないの?」











突然のその言葉に、どうして良いのか分からなくて

つい笑って誤魔化してしまう。






お揃いの柄が入った色違いのお茶碗と箸。マグカップ。

何枚か揃った器には、あるキャラクターが描かれている。




伊豆に遊びに行き始めた頃、

そう言う細かな部分に気づけば気づくほど

アノヒトの影に目が行って

ブルーになっていたことがあったけど、

物に対するこだわりのないやすくんの性格がだんだん分かってからは

「物に罪はない」と思うことにして使っていた器たち。





「あんまり大した女の人じゃなかったみたいね。

 器も100円均一や何かの景品みたいのばかりだし」

「元カノが使ってたのを使うなんて、イヤじゃない?」


母がそんなことを言うなんて、正直驚いた。

確かに、わたしだってどんな人だっただろうと考えたことがある。

だけど、母みたいに敵対心というか、嫌悪感というか

とにかく、そう言う感情を持ったことはない。

母の言葉があまりにストレート過ぎて戸惑った。




茶碗と箸を買いに行った本当の理由は、これだったんだ。




母の中の女性の部分を見た様な気がした。

私の母としてでなく、女性の先輩として私のことを心配してくれた言葉。














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