++ワタシノココロ++
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やすくんと出会う前の冬、1匹の猫が迷い込んできた。
小さなキジ猫。
それは、ものすごくたくさん雪が降った日の夜
窓の外で、必死に鳴く猫の声が聞こえてきた。
「鳴く」というより「泣く」って言う感じで。
サカリの頃の猫の鳴き声とは違う
ものすごくせっぱ詰まった声だった。
「アパートじゃ猫飼えないから、ごめんね」
って心の中で思いながら、枕で耳をふさいでた。
朝となく夜となく、とにかく部屋にいる間中
必死に鳴きつづける子猫。
2日目の夜、そんな子猫と自分が重なる気がして
私と同じく「孤独」な猫を放っておけなくなって
ベランダならぬ軒下(私1階に住んでるからさ)に
エサを置いた。
野良猫の割にはきれいな毛並みの猫。
私がそばにいるのもかまわず、餌を食べてた。
お腹がふくれると、スリスリと私の足に絡みつく。
〜 捨てられちゃったのかな 〜
そう思うと、もうとまらなくなった。
部屋に入れることはできないので、
軒下をその猫に貸しての同居生活が始まった。
お腹をすかせた猫が私を必要とするように
えもいわれぬ孤独を感じて多私もその猫の暖かみが必要になった。
たかが猫。
でも、その猫がいるだけで随分救われた。
やすくんと知り合うまで、
私の心の支えだったって言ってもいいくらい。
まだ両親にやすくんとのことを認めてもらってなかった夏。
両親に黙って1週間くらいやすくんの所へ行った。
大きな荷物を抱えて部屋を出た私の足下に
どこからか、その猫がやって来た。
行く手を遮るように絡みつく猫が
まるで「本当に行くの?」と言ってるかのように思えた。
やすくんが私の中でどんどん大きくなってきた頃
猫が私を呼ぶことがなくなってきた。
毎朝晩、お腹がすいたと鳴いていたのに。
たまにやってきては、エサをねだるようになった。
何週間も顔を出さないようになった。
そして、今日。
部屋を片づけるために、軒下の掃除をしていたら
久々に猫がやってきた。
今までになく甘える猫。
この猫はこれからどうするのだろう。
私は、どうしたらいいのだろう。
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ちなみに。
この猫はうちのアパートの住人にかなり好かれてるらしく、
私が部屋の中にいても
軒下にエサを置いていったり、
ブラッシングをしてくれてる人がいる。
そう言う人に
今以上に大切にしてもらえますように。
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