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2002年04月25日(木) 迷い猫。






やすくんと出会う前の冬、1匹の猫が迷い込んできた。

小さなキジ猫。



それは、ものすごくたくさん雪が降った日の夜

窓の外で、必死に鳴く猫の声が聞こえてきた。

「鳴く」というより「泣く」って言う感じで。

サカリの頃の猫の鳴き声とは違う

ものすごくせっぱ詰まった声だった。

「アパートじゃ猫飼えないから、ごめんね」

って心の中で思いながら、枕で耳をふさいでた。


朝となく夜となく、とにかく部屋にいる間中

必死に鳴きつづける子猫。

2日目の夜、そんな子猫と自分が重なる気がして

私と同じく「孤独」な猫を放っておけなくなって

ベランダならぬ軒下(私1階に住んでるからさ)に

エサを置いた。


野良猫の割にはきれいな毛並みの猫。

私がそばにいるのもかまわず、餌を食べてた。

お腹がふくれると、スリスリと私の足に絡みつく。



 〜 捨てられちゃったのかな 〜



そう思うと、もうとまらなくなった。

部屋に入れることはできないので、

軒下をその猫に貸しての同居生活が始まった。



お腹をすかせた猫が私を必要とするように

えもいわれぬ孤独を感じて多私もその猫の暖かみが必要になった。





たかが猫。

でも、その猫がいるだけで随分救われた。

やすくんと知り合うまで、

私の心の支えだったって言ってもいいくらい。







まだ両親にやすくんとのことを認めてもらってなかった夏。

両親に黙って1週間くらいやすくんの所へ行った。

大きな荷物を抱えて部屋を出た私の足下に

どこからか、その猫がやって来た。

行く手を遮るように絡みつく猫が

まるで「本当に行くの?」と言ってるかのように思えた。




やすくんが私の中でどんどん大きくなってきた頃

猫が私を呼ぶことがなくなってきた。

毎朝晩、お腹がすいたと鳴いていたのに。

たまにやってきては、エサをねだるようになった。

何週間も顔を出さないようになった。





そして、今日。


部屋を片づけるために、軒下の掃除をしていたら

久々に猫がやってきた。

今までになく甘える猫。










この猫はこれからどうするのだろう。


私は、どうしたらいいのだろう。











+++++++++++++++





ちなみに。

この猫はうちのアパートの住人にかなり好かれてるらしく、

私が部屋の中にいても

軒下にエサを置いていったり、

ブラッシングをしてくれてる人がいる。

そう言う人に

今以上に大切にしてもらえますように。


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