++ワタシノココロ++
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2002年03月11日(月) |
++大阪旅行 その2 彼は友達。 |
Mと2軒目の焼鳥屋さんへ行く。
他愛のない話を続けてる私。
Mは相変わらずガハハと笑っていた。
何がきっかけだったのか、もう忘れてしまったけど
Mの恋愛観だとか、女性観みたいな話になった。
「実は、大学のあの頃からずっと 今でも大切に思ってるヒトがいる。 自分の家庭を壊しても、とかそういうつもりはないし
その女の人を自分のモノにしたいとか、そういうのもない。
でも、そのヒトが困って立ち止まってるときは
真っ先に手をさしのべてやりたいと思ってきたし、
立ち上がれないくらい打ちのめされてるときは、
何を置いても駆け付けてやりたいと思うよ」
Mには、すでに家庭がある。
子煩悩のパパ。
そんな風に思ってる人がいるなんて、ちょっと意外だった。
…Mはその人に思いを伝えたことがあるの?
「いや、ない。なんか、それすらためらわれるようなヒトだから」
…ためらわれるって?
「言い表しにくいねんけど、なんと言うかな。
その人はいつも『自然』やねん。『素』というかな。
よく笑うヒトでな。その笑顔が何も飾ってないねん。
だから、思いを伝えることによって、
その人がそう言う部分を自分に見せられなくなるって言うか、
変わってしまうのはいややなあって
ずっと思ってきたから。
だから、誰にもこのことは話してないし、相談もしてない」
…へえ・・・すごいねえ。
自分が尊敬しているMが
それほどまでに大切にしている女性が誰だか
その話を聞いてるだけでは分からなかったけど、
きっとステキな人なんだろうと思った。
そして、そんな心の奥に大切に守ってきた話を
こんな私にしてくれたことを嬉しく思った。
その女のヒトは大学時代の友人らしいから、
きっと私が知ってる人だろうけど
それが誰かを知ろうとするのは野暮な気がして
聞けなかった。
… 今日は、よかったよ。Mに会えて。
いろんな話ができたし、すごく良い話が聞けてよかった。
なんか、うれしいよ。ありがとね。
「なんか、俺、今日は思いっきり酔っぱらってるわ。
こんな話絶対せぇへんと思ってたのに」
… Mのキモチに、その人は気づいてるのかな。
「どうかな。気づいてたら嬉しいけどな。
気づいてへんやろな、きっと。」
… ふうん。
時間が来て、私たちは別れることになった。
ホテルへどうやって帰ったらいいのか分からなくて
乗り換えの駅まで送ってもらう。
「ほんまに、幸せにな。
もうこれで会うことはないやろうけど。がはは」
その言葉が悲しくて、切なくてたまらなかった。
「なんでそんなこというの?
むこう(やすくん)がなんと言おうと、
Mとはずっと友達だよ。これからもたくさん話しようよ、ね?」
がはは、とMは笑って、また私の肩をばんばんたたく。
一瞬、怖いくらいに真剣な顔になった。
「もしな、何か困ったことがあったら電話でもメールでも
手紙でもいいから、絶対連絡せえよ。駆け付けてやるから」
「ずっと笑っていられるように、応援してるからな」
これまでの話が、頭の中を駆けめぐる。
Mのキモチが初めて分かった気がした。
自分がたくさんの大きなキモチに支えられてるのに
初めて気づいた。
大阪の地下鉄の中で、
涙が止まらなくなった。
Mのキモチが嬉しかった。
自分のことが少し好きになって、
少し嫌いになった夜。
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