++ワタシノココロ++
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来週から2週間、やすくんは出張。 系列会社のヘルプに出るらしい。 ただでさえ忙しい今の仕事なのに、 出張先は、集客数が倍の大きなホテルということで、
「帰るのが毎日次の日になるかも知れない」
なんて、やすくんは言ってる。 そして、実際そこで働いてる人によると、 これからの時期は特に忙しいらしい。 仕事のことで、私が言えることと言ったら
「無理しないで、頑張ってね」
程度のことで。 それ以上のことは口だせないと思ってる。 ちょうど私の仕事が忙しい時期とも重なってるから、 この時期、やすくんの所にも行けそうになかったので、 「ちょうどいいよ」なんて答えた。
やすくんが話を続ける。 「来週の水曜日から仕事なんだけど、 向こうへは火曜日に行くんだ。 火曜日、休みだから」
「あ、そう。天気がいいといいね。 ちょっとしたドライブだね」
「いや、火曜日の朝早く行くんだ。 一緒に行く奴が、火曜日の午後から仕事だから。」
…ん? 一緒に?
「それ、○○さん?それとも△△さん?」
調理場のスタッフの名前を挙げて聞く。
「ううん、同じ会社の違う職場の奴。 彼女、運転苦手だって言うし、俺ちょうど休みだし 一緒に行こうってことになってさ。」
…か・・・彼女?
「彼女って言った今?女の人と一緒に行くの?」
「うん。でも、大丈夫だって。」
大丈夫って何?
仕事のことで口出しする気はない。 やすくんの職場では、 結構そうやって乗り合わせて移動することが普通みたいだし、 やすくんが、その女の人と何かしようとしてるなんて、 そんなこと考えたこともない。
そういう心配はしてない。
だけど、その女の人はどう思ってるかワカラナイ。 会ったことのある人だったら、 まだ少し安心できるけど。
なんて、頭の中がグルグル回り出す。
さらに。
「会社の近所の寮でしばらく住むことになるよ。 たぶん他の会社から来た奴と一緒の部屋になるんじゃないかな」
だって。
じゃ、今までみたいに、 朝起きたときや夜寝る前ゆっくり電話で話ができない。 辛いなあ。
…え?会社の寮?
思わず、 「え?じゃ、その女の人はどうやって通勤するの?」 と、聞いてしまう。
「ま、一緒に行くことになると思うよ」
「…」 「ふ…ふーん」
「なに?怒ってる?」
怒ってない。 ジェラシー感じちゃっただけ。
その女の人がやすくんのことをどう思ってるか 分からない。 もしかしたら、何とも思ってないかも知れない。
でも、 2週間の間、毎日一緒の車で会社に行くなんて。 来週の火曜日は、2時間もドライブ(じゃないけど)するなんて。 帰ってくる日も、一緒に帰ってくるなんて。
私でも、そんなに長く一緒にいられたことないのに。 うらやましいよ。
口から出そうになるその言葉たち。 仕事のこととはいえ、そんなこと言って、 やすくんに「子供じみたこと言うなよ」なんて いわれるのがイヤだから、 一生懸命ガマンする。
はあ・・・・・・
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