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2001年09月10日(月) 闇。

朝早く、やすくんから電話。。

「これから出る。今のところ、大丈夫みたいだから」

台風が不思議な進路をたどっていた日。

「飛行機じゃなく、東京から高速バスで行くよ。
 そっちの方が確実だろうから」

一応、ネットで予約状況を確認。
よかった。まだ予約受付してる。
受付してるってことは、バスは走るってことだよね。
そうやって、自分で自分を納得させる。
事実、バスの予約センターの方に電話をしてみたが、
営業時間外のため、直接問い合わせることができない。
普通だったらイライラするはずだけど、
今日に限っては私の安心材料になる。

やすくんの方が私より早く部屋に来るから、と
鍵をいつもの所に置いて会社へ行く。


やすくんが、あの鍵を使って部屋に入っててくれますように

そんなことを思いながら、車で会社に向かう。
仕事はいつも以上に忙しく、
ほとんどデスクに戻ることなく午前中を過ごす。
途中、ふと空を見上げる。
空は暗いけど、普通の雨の日と変わらない降り方。

これなら大丈夫かな。

少し安心しながら、昼過ぎようやく一息ついてメールを見る。
いくつかのメールを見て、その後。

「新宿まで来たけど、今日は全線運休らしい。
 残念だけど、福島に戻るよ」






まだメールが来てた。
やすくんから。
帰りの新幹線に乗る前に。
そして新幹線から降りる前に。

でも。

そんなの読みたくない。
気づいたら、留守電も入っていた。

「了解しました」
というメールを返すのがやっと。

目の前が真っ暗になり、心が闇に閉ざされ動かなくなる。
仕事は午後からも忙しいから、
平静を装いながら何とかこなす。
仕事が忙しいおかげで、何となく冷静になれたような気がするが
無意識的に、普段後回しにするような仕事までやって
帰る時間を遅らせようとしてる自分もいた。

帰るときに、やすくんに電話をする。
わざと声を張り上げて、
全然平気だよって振る舞う自分がイヤ。

「台風、どう?」
「ああ、こっちはまだ全然だよ。」
「そう、よかった」




「あのね…」

しばらく間が空いて、後もう少しで部屋に着くというとき、
恥ずかしながら聞いてしまった。

「あの電話とか、メールとかって、本当?」

「…え?」

やすくんは、やっぱりビックリしてた。

「もうすぐ部屋なんだけど、
 もしかして、いるかなって思ってさ。」







部屋にやすくんはいない。

当然だけど。

やっぱりそれが何だかとっても淋しくて、
ガラにもなく涙がこぼれる。

電話をしながら、やすくんがなんども「ゴメン」っていう。

「やすくんのせいじゃないんだから、あやまらないでよ」

やすくんがわるいんじゃないんだから。


ひとりでご飯を食べて、一人で布団に入る。
いつもの生活。
でも、何だかすごく淋しい。


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