とある手続きのため、ランディの会社に提出しなければならないので、戸籍抄本が必要になった。 役所に問い合わせたら、「本籍地が横浜市にないので取れません」と言われた。 わたしも、ランディも、本籍地はランディの実家である。 ランディの実家近くの役所に行って、抄本を取り、ついでに謄本も取って、現住所に本籍を移転することにした。 その旨、ランディのお母さんに伝えると、
「家も持ったことだし、そうした方がいいと言おうと思っていたところだったのよ」
と、言った。 先々月亡くなったランディのおばあちゃんの本籍地が、東北の、おばあちゃんの故郷だったため、死亡の手続きが物凄く大変だったのだと言う。 それで、もう手続きは終わったのか、と尋ねると、
「さあ?全部田舎に郵送したんだけど、まだなにも言って来ないから」
ランディのおばあちゃんのいなくなった家で、少し話をして帰ったが、
「自分の親が死ぬっていうのは特別なものよね。……もう会えないんだもの」
と、言ったのが印象的だった。 いつか、自分にもその日は来るのだろうが、それが実感できない。 それが、『特別』ということなのだろう。
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