ある日、ランディが、お土産と称して、本の入った袋を差し出して来た。
中身は、古本の、
「おらが丸」全1巻 「ラシャーヌ!」1巻、6巻 「妖怪始末人トラウマ!!」3巻、5巻
懐かしい魔夜峰央の作品である。 かつてはまって、今は手放してしまった。 しかし。 なんだ。このラインナップは。 通して読めるのは「おらが丸」だけではないか。
「5冊まとめて100円だったんだ」
わたしが魔夜ファンであるというのを覚えていてくれた上に、それを買ってきてくれたことには感謝せねばならないのだろう。 なんだか、素直に感謝できないのは、ランディ自身が、つづきもの漫画のコミックスは揃っててナンボ、と思っている節があるからだろう。 うちの収納スペースには、「ドカベン」だの、「はじめの一歩」だの、「ジョジョの奇妙な冒険」だのがみっちり揃っている。 なんというか、この中途半端さというか、適当さというか、いかにも『ついで』っぽいというか、細やかさに欠けるというか…… 値段に拘りはしないが、5冊100円だけあって、えらい状態悪いし……
「なんで、こんな飛び飛びで買ってくるんだ」
「物凄く安かったから。いらなきゃ読んで捨てれば?」
「こんな……こんな買い方……全部読みたくなるじゃないか」
「自分で買って来て読めば?」
「全巻揃ってしか売ってないよ。同じ巻がだぶるじゃないか!」
「いーじゃねーか。だぶった分は捨てれば」
「だーかーらー!」
とか、言いながら、読み耽ってしまう。 嗚呼!(感嘆符)面白い。 「おらが丸」は、松本伊代や、薬師丸ひろ子がアイドルだった時代の作品だ。 「ラシャーヌ!」第1巻なんかは、かつて数え切れないくらい読み返した。 それでも、やっぱり、ラシャーヌの手紙の破壊力には爆笑してしまう。
もう、白旗揚げてしまうしかない。 そういや、ランディに、まだ御礼言ってない。
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