出来れば、出かけたくなかったのだが、よんどころない用事があったので出かけた。
玄関を出た瞬間から、凄い風だったので、壊れてもいいようにと、壊れかけのビニール傘を差した。 これが間違いだった。 帰りがけ、突風により、瀕死。 ずぶぬれで、必死で骨を支えたが、指を挟まれる。 駅に着いた時点で完璧傘は息絶えた。 その辺の薬屋で、やっすい傘を買い、死んだ傘の供養をお願いし、コロッケ買って駅を出たら―― 前が見えないほどの雨が横殴り。 討ち死にした傘が、何本も、冠水した道路で車に轢かれつつ、辛うじて原型をとどめている。 ランディに電話をしても熟睡してて出やがらないので、歩いて十五分の自宅まで、はじめてバスを使って帰った。
|