昨晩、夕食用に買ったメバルがあったのだが、わたしが猛烈な眠気に耐え切れず、夕方の半端な時間から寝てしまったため、ランディはスーパーでお弁当を買ってきてしまった。 で、昨晩は、それを食べた。
朝飯に尾頭付きは豪華すぎるかもしれないが、新鮮なうちに食べるべきだろう。 と、いうことで、御飯、味噌汁、魚の朝食を作る。 二尾のメバルを、ランディは塩焼きなら食べると言ったが、わたしは煮魚で食べたい。 えーい、両方作ってしまえ。
ランディは、魚を出すと、絶対半分しか食べない。 それを見越して、自分の分の御飯は少な目に盛った。 ランディを玄関まで見送り、ランディが残した塩焼きを食べる。
おお。煮魚も良かったが、これもなかなか……
とか思っていると、喉に、ちくりと痛みが。 骨が、喉の奥に刺さったのである。 吐き出すか、飲み込むか、一瞬迷って、後者を選択。 それが間違いだった。 ちくり、程度だった痛みが、ずきっ!に変わり、のたうちまわる。 味噌汁を飲んでも痛い。 そうだ、こういうときは、御飯を丸呑みとよく言うではないか。 試してみたら、更に深く刺さったようである。 いたいー!と叫ぶこともできず、転げ回る。
ああ、よりによってランディがいないときに……いや、やっぱり、いなくて良かった。どうせ役には立たない。 更に御飯を丸呑みしようにも、朝食にしては多すぎるほどの量を喰ってしまった後である。 なんとか死地は脱したようで、呼吸を整え、ネットに繋いだ。
「魚の骨」「喉」「刺さった」で検索をかけてみると、同じ目に遭遇した人たちの多いこと。
「御飯丸呑みはやめた方がいい」
と、あちこちに書いてある。 更に奥深く刺さることが多い模様。
……脱力。
では、どう対処しろというのだ、と、更に検索すると、間違いなさそうなのは、
「耳鼻咽喉科に行く」
……やはり。
まだ病院は開いてない。 その間、応急処置的なことはなにかできんのか、と更に調べる。 「うがいする」という割と常識的なものは試したが、「割り箸に脱脂綿巻きつけて喉の奥に突っ込んでぐりぐり拭う」というリバースしそうな技は流石にやめた。 ふと、思い立って、「ツボ」というキーワードを足して検索をかけると、魚の骨が喉に刺さったときに圧すツボというのがあるのを発見。 まさかあるとは思わなかった。 藁をも掴む気分でやってみた。
……効いたよ、おい。
腕の内側の、肘と手首の間の、真ん中あたりをぐりぐりやると、喉の痛みがすーっと引いた。 どうやら、骨が刺さった痛みは残っていたが、骨自体は飲み下していたらしい。 このツボ、『ゲキ門』と称し、嘔吐や、喉の炎症のときにも良いそうな。
今はもう殆ど痛くない。 良かった。 魚の骨で耳鼻咽喉科に行って、ピンセットで取ってもらえればいいが、ややこしい場所に刺さっていて、内視鏡とか特別な器具使って取ってもらうことになると、えらい高くつくことがある、とあったので、その意味でも良かった。
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