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書くほどのこともない日常
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2004年01月04日(日) 温泉に旅行〜その2

不思議なことに、前夜あんだけ飲み喰いしたのに、朝には空腹であった。
肉や、油ものを喰わなければ、こんなに胃の調子が良いのか。
日本人なんだなぁ。

朝飯の時間まで、テレビでも、と思っていると、仲居さんがやってきた。

「おはようございますー」

「あー、おはようございます」

と、返事をすると、襖が開いた。

…………おい。
なんで開くんだ。

「もうすぐ朝御飯が出来ますので、お呼びしますね」

と、告げて、仲居さんは去って行った。

ランディはまだ寝ている。



こんなんでも、一応鍵はかけたのだが、ランディが夜中トイレにでも行って、掛け忘れたのだろうか?
まともな鍵が無い部屋で寝るのをかなり嫌がっていたから、それは余りあり得ないのだが……
とりあえず、もう一度鍵を掛け直し、浴衣の上に羽織着て、茶なんぞ飲みつつ、テレビを見る。

ほどなく、仲居さんがやってきた。

「失礼いたしますー。朝御飯の支度が出来ました」

ちょっと待て、また開いたぞ、おい。なにごともなく、すーっと。
開く瞬間はまたしても見逃したが、確かに鍵は掛けていた。
半ば呆然としつつ、

「……はい。すぐ行きます」

と応え、仲居さんが去った後、もう一度鍵を掛けた状態にしてみる。
そのままで、襖を引くと、丁度、指一本分、隙間が出来る。
そこに、人差し指を入れると、外からでも、鍵が外れた。
予想は、ついていた。
開いてしまうんだろう。
だけど、だからと言って

何故開ける!?


形ばかりのもので、外せるもので、外し方を熟知しているんだろうが、なんで外すんだ!

前日、風呂に入ったときと同様、財布と貴重品をバッグに入れて、それを持って指定された部屋へ。
宴会場や、食堂のような部屋に通されるかと思ったら、わたしたちが泊まった部屋より僅かに広い程度の部屋に、わたしとランディふたりである。
もう一組いた泊り客は、先に食べたらしく、チェックアウトの手続きをしているらしい声が襖越しに聞こえる。

朝食は、ごく普通。
不味くもなく、美味しくもない。
鯵の干物の焼いたのが冷たかった。
もう一組の客の分と一緒に調理したんだな、これは。

寛ぐ気になれず、着替えて市内観光に出掛けた。
特別に名物でもないと記憶しているが、ふらりと入った蕎麦屋の天麩羅蕎麦は美味。
タクシーで、日帰りで利用出来る温泉に行く。
帰りはタクシーを使わず、土産物店を中心に散策。
夕食は、寿司。
看板に、『○○テレビで美味しい寿司屋として紹介』とあった店に入る。

美味!!

看板に偽り無し。
しかも、安い。回転寿司とさほど変わらない値段ではないか。
もう、なんというか、これを味わうために、遥々この地までやってきたのだ、という気がした。
食い物で感動するなんて久しぶりである。
途中、込み合って来たので、早々に店を出たが、殆ど飲んでいないのに、酔ったような幸福感がつづいた。


宿に戻って布団に入り、時計を見たら、まだ十時前だったが、ランディもわたしもすぐに熟睡。
無論、前夜同様、襖の前にはタオルハンガーを置いた。


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