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書くほどのこともない日常
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2003年08月07日(木) 生涯随一の験の悪さ。

さほど、縁起を担ぐ方ではない……つもりでいる。
が、どうも、信じているわけでもないのに、身に染みついてしまっていることが結構ある。

夜は爪を切らない、とか、霊柩車を見たら親指を隠す、というような細かいことである。

あとは、縁起が悪いよりは、良い方がいいと思うくらいは、ごく普通だと思う。
茶柱が立てば小さな幸せを予感するが、立たないからと言って、嘆いたりはしないし、目の前を黒猫が横切ったら、「おっ。可愛い」と思い、暇なら「散歩中?何処の子?」などと声をかける。


が。

わたしとランディの、身内だけを招いた披露宴のときのあれは惨かった。

わたしの方の親戚一同と、ランディの家族が集まって、旅館の広間を借り切って内輪の宴会をしたのである。

宴もたけなわとなったとき、父方の伯母がマイクを持って歌いはじめた。



別れてくれと云う前に 死ねよと云って欲しかった



……おい。
思わず、気持ちよさげに歌う伯母を見た。
この歌は、母の十八番でもあり、何度も聴いたことのある歌だが……「他人船」というタイトルだけでもアレな歌をよくもこの場で……
後で、母方の大叔母が激怒していたと母から聴いたが、酔っ払いの集団の中からツッコミは出なかった。
花嫁自らキレてれば、面白いことになっただろうな、と今は思うが、とりあえず、そのときは、

引き離す 引き離す 他人船


で終わる歌を聴き、黙って拍手した。


しょっぱながそれだったが、結婚七年、なんだかんだでやってきた。
だから、家も方位や風水は気にするに及ぶまい、と思っている。


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