2003年08月10日(日) |
はじめて憎悪を知ったのはいつだったか。 |
少し前の話だが、知人に、新聞の折り込み広告の裏に描いた絵を見せられた。 たまに遊びに来る知人の九歳の姪が描いたものらしい。
中央に、泣いている女の子の絵。 そして、その周りには、隙間無く、繰り返し、その姪のものではない女の子の名前が赤いペンで書き込まれていた。
「怖っ!」
思わず叫んでしまった。 気を悪くさせてしまったかと思ったが、その知人も心配していたらしく、「今度来たときに、それとなく尋ねてみようかと思うの」と言った。
子供というと、無垢で無邪気で苦労を知らない、というイメージがある。 が、考えてみれば、子供なりに、自分の世界があり、その中では、苦しみも悲しみも絶望も感じていたものだった。 学校行って、帰ってきて宿題して、遊びに行って、帰ってきて、食べて寝る。 そんな毎日でも、大人が言うほど気楽では無かった。 子供は子供というだけで無力だった。 大人になれば、きっともっと違う日々が待っていると思って鬱屈した毎日を過ごしたものだった。
だから、彼女の姪は大丈夫だと思う。
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