2003年06月03日(火) |
油断のならないこの世界 |
家を探しはじめて、三週間とちょっと。
新築建売は、腐るほど見て回ったために、住む前に飽きた。 ので、ハウスメーカーや、建築家に依頼することも視野に入れて、近場を中心に土地も探している。 で、この前、いつもの不動産屋とはべつのところで貰った破格に安い物件のチラシを片手に、ドライブがてら行ってみた。 駅から6分とあったが、長くて険しい坂の上である。 距離的にはたいしたことは無いのだろうが、これは倍かかるかも。 買い物袋を提げた奥様たちも、息を切らして昇っている。 大体、このあたりだろう、と思われる辺りに着くと、本当に眺めがいい。 チラシによると、富士山が一望できるとか。 が、探しても探しても、その売地が見つからない。 何処か間違えたのかと思ったが、地図を見ると、合っている。
「○○○の駐車場前……此処だよね。他に駐車場は無さげだもんね」
確かに、空家らしきものはあるのだが、両隣の表札の名前が住宅地図と違うし、素人目に見ても、狭い。 その空家は、物凄い斜面の上に建っているので、ちょっと横から下を見下ろした。
「おかしいな……でも、これしか無いよな。……ひょっとしたら、この下か?」
で、今まで昇ってきた坂を下り、分れ道まで戻って、さっきの空家の下あたりと思われる場所に回ってみると、物凄いことが判った。 さっき、わたしたちが見ていたのは、玄関ではなく、通常の家なら、二階の窓があるあたりだったのである。 どういうことかというと……
己の国語力に限界を感じたので、へぼい図を描いてみた。
漸く、地図上のお隣さんの表札のある家を見つけたのだが、そこからがまた凄い。 一応、コンクリートのブロックのようなものを敷いてはいるものの、両隣の家の敷地の間にある、まるで獣道のように細い私道の先に玄関があるらしい。 左隣の家の庭の薔薇の木と、右隣の家の壁(塀ではなく、本当に家屋の壁)の間が狭すぎて、不法侵入してる気分になったので、辿り着けなかった。
「凄いな」
「うん。安いと思ったらこういうことか」
「だれが買うんだよ。これを」
「こらこら。建物があるってことは、だれかがかつて住んでいたはずだぞ」
ふたりして、大笑いして帰った。
アリア様へ、ランディより伝言。 「オルテガとクレスポの写真撮ったら俺にも焼き増ししてくれ」らしい。
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