2003年06月02日(月)  大人の振りをしても、所詮誰よりも子供で。  





 思わず、涙を沢山溢しそうになった。
 あの人とキスがしたくなった。
 肌を感じ合いたくなった。


 一人で居るのが、怖くなっただけ。



















 涙は、何の為に有るんだろう。
 あたしは昔書いた。涙は、明日を生きる為にあるものだと。
 ばねになるものだと。
 嘘ではないと思う。
 でも、この涙を何処に流せば良いんだろう。
 理由のない涙は、ただの重荷でしかなくて、
 何処へも行けない。


 あの人を求めてしまった。
 「NANA」(漫画)を見ていたら、あの人に会いたくなった。
 どうにも出来ない思いが、
 其処ら中に、溢れ返っていて、
 あたしの身体、全部から溢れ返っていて、
 沢山の栓で、それを押さえ込んでいた事に気付いた。
 馬鹿だと思った。
 所詮、まだ青い若僧が、何を大人ぶって居たんだろう。
 辛い時に叫ばなきゃ、
 泣きたい時に泣かなきゃ、駄目なのに。







 あたしの、一番の友ダチに言った。


 「もう、あたしあいつのことなんて如何でも良いや。」


 如何でも良くしてた。
 忘れようとしてた。意地だったのかもしれない。
 気付いてたけど。本当は気付いてたけど。
 自分が傷付きたくないから、
 さらさらと、流してしまいたかった。
 恋愛に深入りするあたしは、その分傷付くのを恐れてた。
 深入りし無いように、しないように、
 考え無い様に、考え無い様に、
 そうしてた。
 でも、あたしそんなに上手く出来ないのに、
 さらっと流せるような、そんな大人じゃないのに、
 流そうとして、
 余計に胸の中に留めて、
 思い出した時に、辛くなるのは分かってるのに。
 何回同じことを繰り返しても、学ばないあたしは、全然子供だ。
 子供は子供らしく、泣きたい時に泣いて、
 其処で終らせてしまえば良かったのに。


 あ、泣く場所がなかったんだっけ。





 男なんざ、恋愛感情がなくてもやれるってこと、
 充分承知だったんだけどな。
 女って、自分勝手な生き物だ。
 あの人だけは違う。
 そんな甘い考え、馬鹿みたいだよね。

 








 小さい頃から、大人の振りをしていたあたしは、
 誰よりも子供な気がする。






















 如何しようかな。
 如何すれば良いのかな。













  

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ほっとけない 世界のまずしさ 

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