2002年11月23日(土) |
飲んで飲んで飲まれて飲んで |
飲み週間は続く。
木曜日 上野広小路で一緒に飲んだ人には 人間としての広さとか優しさを微塵も感じられなくて、 でもそんな人間はいないと思うので いかに私がその人を拒絶しているか ということだけわかった。 こんな飲みは 不愉快なだけ。 さんざん飲んだのに、家帰ってまた飲んだ。
金曜日完璧な二日酔い。
「携帯電話はOFFにして下さい」とオーディエンスに 言っているのに、そしてまさに社会人のマナーなんて話をしている 最中に、後方のMY 携帯が大音量で響く。 ・・・・最低・・・・・・・。 普段 めったにかかってこないのに。
しかも、内容は宴会予約してる店からの確認。 留守電の声まで響く。 穴がなくても埋まりたい。
その夜は、下北沢で飲み。 美しきSAYA嬢は打てば響く人で、 その前日のリベンジが出来た気分。
最高の気分の時に、携帯が鳴る。 珍しい。今日はよく鳴る日じゃ、と見れば おお、わがダンナさんカバトット。
内容は、一気にCOOL DOWNしてくれるお話。 わざわざ 明日から彼女と共にすることを カミングアウトしてくる了見が アウト OF 理解。
電話を切って、 それからの記憶を 取りこぼしている。
気が付いたら池袋にいて。 ど、どうやってシモキタからきたんだ? ってか、改札の外にSAYAが見える。
駅のトイレで、財布を置き忘れたまま 改札を出ようとして 気付き あわてて戻ったら 個室にあった。 カード、免許証 一式 よくぞご無事で。
池袋駅で、駅員に早く出て行け ここはもう閉まるぞ とせかされる。 どこ探しても切符がないので、160円支払って出る。 いや、最初から切符なんて持ってなかったんじゃないか。 だからなんでどうやって私は池袋にいるんだ。 どこでもドア持ってたのか?わたし。
なんてことを考えながら タクシー並んでたら 前のすんごく大きな荷物もった外国人が 「アナタ ドコマデ?」と聞いていた。
さっきまで飲んでたシモキタで すっかり台湾なまりの日本語風に アレンジされていたので「ワタシ?ワタシ○○ヨ」と答えた。
「!エ!ボクも○○ヨ!イッショ ノロ!」と 強制相乗り指示。 え?え?え?って思ってはいるが、それを拒否するパワーがもうなし。
タクシーが来たら 「ニモツ ウシロ アケル ユッテ」と彼はとっととトランクへ回る。
運転手さんに「すみません。後ろ開けてもらえますかー?」 あー、もうなんなんだ私。
タクシーの中で聞いたのは その男はチリ人で、日本にきて12年、 奥さんは日本人ということ。 私の出身地を聞いて、地震で自分の友人も大変だったこと。
「奥さん 日本人なの?」って聞いたら 「アタリマエデショー!」と3回くらい言い返された。 なんで当たり前なのかわからない。
私が結婚してると答えると 「コドモイル? ヲー イナイノカ。 ゼッタイ ツクレ イイネ コトモ ツクレ」 これまた 目的地に着くまでに5回は言われた。うっさいわ。
タクシー代なんてこいつ払わねーだろーなって思ってたら 「ココデ トメテクダサイ」と言った場所で(その時点でメーター2200円) 1200円私にくれた。
「ジャァネ コドモ ツクレネ」 と言って私の手の甲にキスして降りていったチリ人。 たった今思い出したが、彼の名はアレクサンダー。
お国を聞いた時から 何かが言いたくてでも思い出せなかったこと それも今思い出した。
「アニータどうよ」
********* 帰宅して気絶してたら、 夜勤を早退したダンナさんが 音をたてずに帰ってきた。 (あれ、帰ってきぃひんのんとちゃうかったっけ) 三日酔いのあたまがぐるぐるする。
シャワーを浴びてる音がするので、 あぁやっぱり出かけるんだとわかる。
(え?そんなパチモンのベルサーチみたいな けったいなパンツはいてくのん? もっとおしゃれなかっこ していきーな)
と思っている自分自身に驚いて声が出ない。
身支度完了した時点で 「行ってくる・・・」と告げられた。
二晩は戻らないことを知るが、 「いつ帰ってくるの?」と言った自分の言葉が なんか不思議。
そう 彼は「帰る場所」をもっているのだ。 帰る場所にいるのは 少なくとも今の時点では 私なことに この時点で安堵してる。ちょっと変な感じはする。
早朝 いなくなったダンナさん。 しばらく コタツの中でじーっとしていたが 何かがひっかかって 悶悶としていた。
大分たってから それがわかったので 昨日の着信履歴から、彼の番号をプッシュ。
山の手線に乗っている音が聞こえる。
「あ、わたし。
さっき 言い忘れたことがあって。」
彼「・・ 何?」
私 「行かないで」
彼 「・・・・・」
私 「行ってほしくない」
彼 「・・・・・」
私 「って、それを言い忘れてたの(^^)」
長い長い沈黙。
電車は西日暮里から日暮里、 そしてその次の駅へ向かっているのが 電話の向こうから聞こえる。
東京駅に近づいている。
山手線は どんどん彼との距離を離し 彼女との距離を縮めている。
でも 山手線は丸いから、どんどん離れているということは どんどん近づいているということでもあるんだ。
彼「・・・・・・ごめん。」
私「わたしの気持ちを言い忘れてたから。 それだけ。 じゃ、気をつけて」
通話時間ジャスト5分。
うん。 これで いい。 今まで 私は気持ちをちゃんと伝えてなかった。 その第一歩だ。 それをすごく嫌な言い方だったけど教えてくれたのが 上野で飲んだ人だった。 わたしの時間も 山手線のように、まわっている。
さて、今日は土曜日。 飲み週間の締めと致しまして 渋谷で大好きな仲間と鍋を堪能してまいります。 俺なら絶対乗車拒否するって言われました。 あっぶねーなって思ってくれたのかな。
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