目口覚書
■目口覚書■
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2002年06月18日(火) 読み聞かせ


先日観た映画
で、主人公サムがいつもいつも
娘に童話を読み聞かせるというシーンがあった。


緑の卵となんとかってタイトルで、
タイトルと作者名をちゃんと
はじめに述べてから物語に入る。
これサムの儀式のように。

娘のために何度も何度も読む。
とても簡単な単語で綴られた童話。

そして小学校にあがった娘の教科書は
もっと難しい単語が登場するように。

「different」という単語が読めないサムに気を使い
娘はあえてそこが読めないといって教科書を閉じる。

教科書をちゃんと読んで!と頼むサム。
こんなパパで「ごめんね」と謝るサム。

*********

私の子供のころの童話のお気に入りは、
「ブレーメンの音楽隊」だった。

いろんな動物が入れ替わり立ち代り
まるで音が聞こえてきて
そこにざわめきがあるかのように
何度も何度もめくった絵本。

だが、なぜだか親に読んで貰った記憶がない。
でも3歳児童がとっとと読めるわけないだろから
きっと読んでもらってたんだろけど、憶えがない。

で、暇な時わたしはダンナさんに「昔話」をせがむ。
なんだよ 昔話って?と聞かれるが、
あなたが子供のころ、お母さんに話してもらった
寝る前の童話とか、ホラ桃太郎とか舌きりすずめとか。あるでしょ?

すると、ダンナさん曰く、そんなスタンダードな童話は
聞かされた記憶はなく、しかし寝物語に聞かされるお話は
すべて登場人物がたーくん(ダンナ兄)とぎょうちゃん(ダンナさん)で、
その2人が大冒険する という内容だったそうだ。

それが、結構おどろおどろしい内容で
秘密の穴におっこちた兄弟が 化け物に追われて命からがら逃げたり
あと少し!のところで食べられそうになったりするそうで。

その話のあまりの恐ろしさに、ダンナ兄もダンナさんも
わんわん泣き出すのだが、お義母さんったらますます絶好調で
酒ヤケ煙草ヤケしたハスキーボイスを駆使して
これでもか これでもか と怖がらせるらしい。


おかしい。
おかしすぎるぜ、ママ。

「やめーてー こーわーいーー」
泣き叫ぶ兄弟の上に覆い被さるように
「ほっらぁあああああ おばけがやってぎだあああああ!!!」と。
大人とは思えない。
いや 母親とは思えない。


ところで、以前図書館司書のお姉さんが、
子供向けへの本の読み方という話をしていた。

・読み手の感情をいれてはいけない。
・話の途中で「よかったねー」「こわいねー」
 と読み手の感想を言ってはいけない。
・読み終わって「どうだった?面白かった?」と
 子供に感想を聞いてはいけない。
・あくまでも淡々と読み聞かせよ。

だそうだ。義母よ!どうする!?

何でも、子供自身の感受性を育ててあげるために
読後は余韻をつくって本人に考える時間を与えてあげるのが
よいらしい。

また、読み手の母親が過剰演技して赤鬼や魔法使いのオババを
演じてしまうと、そっちのほうに子供の意識がいって
話に集中できないんだそうだ。


上沼 恵美子は子供への読み聞かせは
ありとあらゆる芸を駆使して演技しまくったらしい。
彼女の息子たちはどう成長したのだろう。


大人になった時、たとえそのお話そのものよりも
ママの話し方のほうが記憶に深かったとしても。
それによって「舌きりすずめ」の結末がよくわからなかった
としても。
必死にお話してくれるママの姿
その記憶のほうが、大人になったときの財産じゃないのかな
ふと そんなことを思う。



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